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【2021年版】ゴールデンウィークに読みたい!旅にまつわる本おすすめ紹介5選!!

 ゴールデンウイークは緊急事態宣言で国外は勿論、国内の旅行にもなかなかいけませんよね。。。

いつもだとハワイ!バリ!セブ!インド!!!と行きたいところですが、気分だけでも旅の気分を味わおうということで、旅本マニアの中の人がおすすめの旅にまつわる本というか実際に旅している本を紹介します!!

 

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・『深夜特急』(沢木耕太郎)

 

 

まずは王道の『深夜特急』です。もう今更紹介しなくても良いかなと思ったのですが、旅本を紹介するにあたってこの本を外すのはマナー違反な気がしたのでとりあえず入れています。

『カラマーゾフの兄弟』を読んだ人と読んでない人くらいの違いがあるので、旅好きを名乗るのであれば必読の本です。

内容は当時大学を卒業した沢木耕太郎氏が作家としてすでに活躍している中、現実逃避をしたくなり、香港からロンドンまで陸路(路線バス)で踏破できるかという賭けを行うことから始まります。

そんなこと無理に決まっているのですが、当時の沢木耕太郎氏は必要最低限の荷物をもって旅をスタートさせます。

現地では現地の人と同じ食べ物を食べ、時にはインドの路上で野宿をしたり、マカオのカジノでお金が尽きかけたりと波乱万丈すぎる旅を行います。

そして、最後まで読んだとき、「あぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁ!!!旅をしたい!!!」と思うこと間違いなしです。

ちなみに僕は読んですぐ香港に行って当時の沢木耕太郎さんが行ったであろう場所を聖地巡礼してきました(笑)

 

・『ヨーロッパ退屈日記』(伊丹十三)

 

 

伊丹十三氏は映画監督でデザイナーで料理人でと多彩な活躍をされていた方です。

そんな伊丹十三氏が1961年に、俳優としてヨーロッパに長期滞在したときの話をまとめた本です。主に衣食住について書かれていますが、実際当時の主にヨーロッパでの日本との違いや、なぜ素敵に感じるのかという本質を見極めるエッセイにまとまっています。

パリやロンドンには女性ものの靴下が当時は売っていなかった(女性はスカートのとか、本物のカクテルの作り方なんかを書いています。

1961年当時の日本人にして西洋での紳士の立ち振る舞いには感心させられます。

一番の魅力は、そんな視点で見るかというところと、ユーモラスで軽やかな文体が伊丹十三氏を表している素敵な本だなと芸術性を感じることができます!

ちなみにこのカバーオシャレだと思うのですが、伊丹十三氏が書いている装丁です。

 

・『イスラム飲酒紀行』(高野秀行)

 

 

これはもう、タイトルの通りですね。。。

イスラム国家は基本的にイスラム法にのっとって、禁酒をしている国がほとんどです。

そんな中で、酒を飲むなんてなんて罰当たりな!!と思いますよね?

実はイスラム国家のひとたちもお酒好きがいるのです!!!

公式には販売できないから密造酒を作ったり、酒を密輸したりして飲酒しているそうです(笑)

そんな危なすぎる世界に高野秀行氏が入り込み、現地の人とこっそり、酒を飲みまくるという破天荒な小説です!

高「ビール欲しいんだけど」

店員「いえ、ありません」

ここから酒へとつなげていく開拓力のすごさ。本当に高野秀行氏、すごすぎます。

※良い子は真似しないでください。

 

・『シャンタラム』(G・D・ロバーツ)

 

 

 文庫本でそれぞれ約500~600ページくらいで上中下巻ということで、かなり勇気を振り絞って読みました。

オーストラリアの受刑者が脱獄し、インドへ密入国し、そこでマフィアに囲まれながら生きていくというストーリー(ほぼ実話)です。

魅力ポイントはというと、まず恋愛要素(受刑者だから禁断の恋?)だし、警察にばれるんじゃないかといヒヤヒヤ感、マフィアに殺されるんじゃないかという恐怖。。。そして、ボスとの関りで哲学的な言葉がたくさん出てきます。

ちなみに、ハリウッドセレブ達も愛読しているそうで、ジョニー・デップが製作を手掛けるという話が出ていてずっと映画化されていないという、ある種注目もあります。

まず1冊目を読み始めたら、3冊一気読みしてしまいます。

できれば時間があるときに一気読みしたほうがいいので、このゴールデンウイークの時期は最適だとおもいます。

これを読んで、インドにいきてぇぇぇぇぇぇぇ!!!となりました。

アフターコロナの楽しみですね。

 

・『アジア「罰当たり」紀行』(丸山ゴンザレス)

 

 

 

 クレイジージャーニーでおなじみの丸山ゴンザレスさんがアジア圏での破天荒旅の様子を書いています。

タイの風俗でお持ち帰りをして、シャワーを浴びたら…

アジアでのガンジャ(大麻)事情…

や、アンコールワットで頭が落ちている地蔵があった。仏を侮辱する行為だけはしてはいけないというのは日本人ならばわかるはずだ。表紙を見てほしい。この後どうなったかは本文を読んでのお楽しみだ(笑)

 

・『美の世界旅行』(岡本太郎)

 

 

 「芸術は爆発だ」の岡本太郎氏が世界各国での芸術を巡る旅をする。サクラダファミリアなどの芸術評論は勿論、インドの路上アートやインカの芸術などについても書かれているのが魅力です。

岡本節はこの本でも健在で、特にインドや中南米の芸術に対して体の中から燃え上がるような芸術性を感じていることが分かります。

旅をした気分にもなれるし、芸術にも触れあえる一石二鳥な本ですね。