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「水は海に向かって流れる」全3巻ネタバレ・あらすじ|田島列島作品の紹介も!

2020年末からのコミック関連賞レースの数々に入選してきた「水は海に向かって流れる」のネタバレ&感想記事を書こうと思います~

 

↓入選した賞はこちら↓

  • 『このマンガがすごい!2021』オトコ編 第4位入選
  • 『マンガ大賞2021』第4位入選
  • 『THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!』第2位入選

 

ちなみに、この賞はそれぞれ特徴があって、

「このマンガがすごい!」⇒マンガ好き書店員が票を入れて選ぶ
「マンガ大賞」⇒読者投票や書店員が面白くて売れそうなマンガを選ぶ
「このマンガを読め!」⇒マンガ好き書店員が本気で面白い作品を選ぶ

という特徴があります。あまりマンガを読まない人にとっても、日頃からかなり読む人にとっても面白い作品ということですね!

 

 

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主な登場人物

熊沢直達…主人公(高校生)

主人公の直達は高校進学を機におじさんの家に居候することに。
おじさんはルームシェアをしていて、そこには様々なバックグランドを思った同居人たちがいる。

榊千紗…ヒロイン(OL:26歳)

直達のおじさんとルームシェアをしていたうちの一人の26歳OL。
おとなしめの女性で何を考えているのかわかりにくい。

歌川茂道…直達の叔父さん

直達のおじさんで、職業は冴えない漫画家。直達とは友達のように接する。

直達君の父…直達の父

気の弱そうな直達の父。
意外にも物語は直達の父がきっかけで進んでいく。

成瀬教授…直達のルームメイト

シェアルームで最年長の男性。大学教授のため研究出張で家を空けがち。榊さんの父とは旧知の仲。

泉谷さん(兄)…直達のルームメイト(女装占い師)

ルームメンバーのひとり。
女装は占い師としての雰囲気を出すために行っているらしい。

泉谷楓…直達のクラスメイト・泉谷さんの妹(高校生)

直達に想いを寄せるクラスメイトで、ルームメイトの泉谷さんの妹。
学校でも会うし、兄に会いに家にも行くので仲良くなっていく。

 

 

1巻あらすじ(ネタバレ含む)

高校進学をきっかけに、家族から離れ、おじさんの家で居候生活を始める直達。

居候初日、駅まで迎えに来たのは同居人の榊さんという女性。

おじさんの家はシェアハウスで、OLの榊さんのほかに、教授、女装占い師がいる。

そんな生活を送っている中、歓迎会の最中に教授と榊さんの会話を聞いてしまう直達。

どうやら自分の父親と榊さんの母が昔駆け落ちをして、結局榊さんの母は帰ってくることはなかったそう。それに対し、直達の父は家族のもとへ帰ってきた。

自分の父のせいで榊さんが傷ついているのに、居候生活を続けても良いものかと悩み始める。そして、そこへ直達に会いに父がシェアハウスへやってきて、榊さんと出くわすー。

 

2巻あらすじ(ネタバレ含む)

 自分の母親が不倫をして出ていったことで、また誰かに裏切られるのが怖くて恋愛をしていない榊さん。それを知った直達は自分も恋愛をしないと言い出す。

しかし一方で直達のことを好きになってしまった泉谷さん妹は恋愛をしてもらわないと困る。恋愛をしないのは自分だけで良いという榊さんと押し問答に。

そこへ、直達の父が探偵へ依頼し、榊さんの母の現在の居場所を突き止める。

場所はわかっていても行かないという榊さんだったが、直達説得のおかげでついに10年前に出て行って以来あっていない母親に会いに行く。

 

3巻あらすじ(ネタバレ含む)

直達と共に母親に会いに行った榊さんだが 、母親にはすでに新しい家庭があった。

ようやく榊さんは少し自分の感情に正直になることができた。

帰りに海に行って日帰り温泉に入って帰ろうと思っていたが、周辺に日帰り温泉はなく、旅館へ泊ることにー。そこで直達は自分の気持ちに正直になり、榊さんに告白をする。

ようやくみんなの重荷がおりたところで、榊さんはシェアハウスを出て行って一人暮らしを始めることに。少し距離をおけば、考えも冷めるのではという思惑だったが、直達の考えは変わることはなかった。

それぞれの止まっていた時間がまた動き始めるのだったー。

 

 

 

タイトルの意味

 雨が降ったら用水路や川を通して最後は海へー。というのは当たり前の話ですね?

しかし、当たり前ではなく、途中で大きな障害物があると進みませんよね。

そんな止まっている状態から、また流れていく当たり前を表したかったタイトルではないかと思います。

家族と離れることで新しく家族に対しての感情も生まれるし、新しい家族を作ることもできたという、家族を題材にした年の差恋愛のマンガです。

 

田島列島の他の作品をご紹介

 

 『田島列島ごあいさつ』

 

表題の「ごあいさつ」は、姉の交際相手の奥さんが
突然部屋を訪ねてくるという”大事件”を瑞々しい感性と言葉で切り取り、
かわぐちかいじ氏、さだやす圭氏に絶賛された2008年の新人賞受賞作。

その後10年の月日をかけて発表され続けた珠玉の短編全7編に加え、
「モーニング」誌上に時々掲載されていた1P漫画やイラストも収録。
ファン必読、オールアバウト田島列島とも言える一冊です。

https://c.kodansha.net/manga/

 

 『子供はわかってあげない』

 

水泳×書道×アニオタ×新興宗教×超能力×父探し×夏休み=青春(?)。モーニング誌上で思わぬ超大好評を博した甘酸っぱすぎる新感覚ボーイミーツガール。センシティブでモラトリアム、マイペースな超新星・田島列島の初単行本。出会ったばかりの二人はお互いのことをまだ何も知らない。ああ、夏休み。

https://c.kodansha.net/manga/

 

最後までご覧いただきありがとうございました!

心温まる、ユーモラスなマンガを描く田島列島さんの新作が楽しみですね!