【感想・あらすじ】マンガ大賞2021第2位『チ。ー地球の運動についてー』を読んで
今回はとんでもないマンガを紹介したいと思います。
タイトルは、『チ。ー地球の運動についてー』です。
この作品も例によってマンガ大賞2021で第2位に選出されたコミックです。
タイトルがもう秀逸ですよね。と芸能人の方がおっしゃっていました。
ちなみに、4巻は2021年6月30日に発売予定です!!
1巻あらすじ
舞台は天動説がまだ信じられていた、中世ヨーロッパ。
天才少年ラファウは学校の授業など余裕すぎると思っていた。大学へ進学できる人はごくわずか。当然大学ではその当時定石の神学を専攻しようと思っていた。
そんなある日、異端者と呼ばれ、刑を受けて保釈された人間が家に舞い込んできた。
その異端者は、当時神を否定するに値する地動説を信じている天文学者だった。
そして、訳あって、その異端者の手伝いをすることになってしまう。
地動説を信じていることがバレたら一緒に罰せられることになる。
初犯は改心さえすれば保釈されるが、2回目以降は公開死刑になる。
そんな危険を冒しながら徐々に天文にハマっていき、ラファウの部屋から資料が見つかってしまう。それを異端者が自分の資料だと庇い、2度目の逮捕で死刑に罰せられた。
ラファウは異端者の研究を引継ぎ、天文へとのめりこんでいく。
そして、研究半ばでラファウも逮捕されてしまう。
地動説を自らの口で否定すれば釈放となるが、ラファウは否定せず、自ら毒を飲んでしまう。地動説の研究はまた次の人間へと託されたのだった。
感想
地動説について別に知識があるわけでもなく読んでみた。
今となっては地球が太陽の周りを公転・自転していることは当たり前の知識としてあるが、中世ヨーロッパの当時は太陽や惑星が地球の周りをまわっていると考えられていた。
その当時は当たり前だと思っていた考えを根本から否定してしまう地動説を信じるということの困難さを思い知らされた作品だ。
実際に自分がこれが正解ではないかと考えていても、確信がなければ命を張ってまで徹底的に研究を行えるだろうか。
今の時代は学問や宗教的な自由も認められていて、快適に過ごせる世の中でありがたいと思う。当時だとこんなブログも書いていられないだろう(苦笑)
まとめると、なんと言っても著者の熱量の高さがやはり一番良い作品だと評価されているところだと思う。冒頭のほうで火炙りのシーンを書く度胸や、各キャラクターの熱量もとても伝わる描写が素晴らしい。
天文学に興味がある人は勿論だが、面白いコミックが読みたい人はぜひ読んでほしい。