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ジョニー・デップ主演映画『MINAMATA―ミナマタ―』のモデルになった写真家W. ユージン・スミスとは!?

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Ⓒ 映画『MINAMATA―ミナマタ―』


ジョニー・デップが主演を務める『MINAMATA―ミナマタ―』はW. ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミス著作の写真集『Minamata』をベースに作られた作品となっています。

 

映画ストーリー

アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀に冒され歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。シャッターを切り続けるユージンだったが、ある事がきっかけで自身も危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。

 

『MINAMATA』を出版した写真家W・ユージン・スミスとは

この映画のモデルとなり、ジョニー・デップが演じるW. ユージン・スミスはもともと第二次世界大戦当時に米国の戦争カメラマンとして活動していて、沖縄や硫黄島にも派遣されるなど活躍していました。

戦争終結後はフォトエッセイの制作や企業PRのカメラマンなども務めていましたが、仕事で再来日する機会がありました。

そこで、日本の知人から水俣病の取材のオファーを貰い、翌年から取材を開始します。

しかし、水俣病の原因となったとされる企業側職員から暴行を受け、片目を失明するほどの重傷を負ってしまいます。

それでも撮影を続け、水俣病の写真展を開き、日本でも写真集が出版されるまでに至りました。

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「MINAMATA」ⒸW. ユージン・スミス


 

映画にあわせて写真集の新版も刊行予定

1980年に日本版が刊行されていましたが、長い年月が経ち絶版状態となっていましたが、今回の映画製作が話題を呼び、新版として復刊されることになりました。

ジョニー・デップ自身も元々W.ユージン・スミスのファンだったことを公言していますし、アメリカ国内でも偉大な写真家として知られているそうです。

戦場でも、水俣病の取材でも、自身の体を張って撮ってきた熱いジャーナリストでありながら、芸術性も高い作品です。

 

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「MINAMATA」ⒸW. ユージン・スミス

 

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