【書評・あらすじ】『私の少年』は社会派の要素もある純愛漫画である
今回ご紹介する本は、『私の少年』です。
高野ひと深さんによる作品で、「マンガ大賞2017」で第11位、「このマンガがすごい!2017<オトコ編>」で第2位にランクインするなど、発売当時から注目されていた作品です。
あらすじ
多和田聡子は会社の帰路、夜の公園で美しい少年・早見真修と出会った。会社の上司であり、元恋人でもある椎川文貴の言動に翻弄され、傷つく聡子をなぐさめる真修。しかしその真修もまた、家族に問題を抱えており、放っておけない聡子は、真修を気にかけていく——。年齢差や立場の違いを超えて、孤独を抱える二人は互いに心を通わせていく。聡子に芽生えた感情は、母性なのか、それとも——?(私の少年特設サイト:http://webaction.jp/watashinoshonen/)
聡子はアラサー都内勤務OLですが、真修は12歳の小学生。
最初は公園でサッカーを教えたり、相談に乗ったり、少し段階が上がって一緒に寿司を食べに行ったり、家に泊めたり。と親切心で動いていましたが、いつからか恋愛?純愛の感情を抱くようになります。
最初読んだときに、何とも言えない感情に苛まれました。
書評
逆の立場だったらどうだろうか?
私は男ですので、もちろん、逆だったらどうなんだよ!?と考えます。もちろん、世間様の目は冷たく、ロリコン!ということになると思います。
一昨年くらいですかね?「中学聖日記」も有村架純さんと岡田健史さん主演でドラマ化されましたよね。あれも女性が年上だからこそ成立するドラマだと思っています。
しかし、実社会でも、以前は三船美佳(当時16)と高橋ジョージさん(当時40)が24歳差の年の差で結婚したりと逆の立場でもなくはないということが言えます。
毒親の存在という共通点
9巻が発売されたので結末としてどうなったかは確認してもらいたいのですが、どうして2人がそこまで惹かれあったのかというと、お互いに毒親の影響を受けてきた(真修に関しては放任主義)ということがあると思います。
最近やたら小説などでも毒親をよく取り上げられるようになりました。
以前ではそこまで取り上げられていなかったのが、SNSなどの発達によって簡単に発信できるようになり、#ME TOO 的な行動をとれるようになったも一因ではないでしょうか。
お互いに受けることのできなかった愛を求めて補い合うところは見どころですし、少し切なくもありますよね。
「私の少年」は走りのコミックである
とりあえず今回2つ(オネショタ・毒親)ということを取り上げましたが、どちらも社会派的な要素であり、最近他にもオネショタ系のコミックがたくさん出てきたりという走りになっている作品と言えるでしょう。
私はこの作品を読んで、うまく説明できませんが、心が締め付けられるような感覚を受けました。つまり何が言いたいかというと、完結したし、面白いので読んでみてください!