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「ホテル・ムンバイ」あらすじやネタバレ解説|どこまで実話の映画なのか

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「ホテル・ムンバイ」より

最近「ホテル・ムンバイ」という映画を観まして、様々な実話映画を観てきましたが、その中でもかなり悲惨な事件だったのではないかと思い色々調べてみました。

基本的に実話をもとにした映画だそうで、ムンバイ(旧ボンベイ)で起こったイスラム原理主義(過激派)による同時多発テロ事件がベースにあります。

 

 

 

あらすじ

①タージマハル・ホテルでの時間

舟から上陸した若者数人は別々にタクシーに乗りムンバイ市内の各主要機関に向かう。

一方タージマハル・ホテルでは日常として各国からVIPが来館予定なのでお客様が来る前に入念な接客・サービスチェックを行っていた。靴を忘れてしまったアルジュンは帰るように言われたが、家族を養うため何とか働かせてくれるように料理長へ頼み代理の靴(小さめ)で許可を得た。

VIPとしてはザーラとその夫デイヴィッド、その赤ちゃんと子守役のサリーのほか、ロシアの軍事会社社長のワシリーなどが優雅な時間をすごしていました。

②ムンバイ市内でテロ発生

ムンバイの駅でテロリストたちがトイレに入って銃を組み立て、無差別に発砲するというテロ事件が発生。そのほかのエリアでも同時多発的にテロが起きます。

それをテレビで中継されていましたが、タージマハル・ホテルではゲストたちが相変わらず優雅な時間を過ごしていました。

③タージマハル・ホテルへテロリストが侵入

テロによって混乱した市民たちが安全なタージマハル・ホテルへ押しかけ、助けを求めます。中に入れてあげたタージマハル・ホテルでしたが、その中にテロリストたちも混じっていて、吹抜けの上のフロアから下の広場をめがけて無差別に発砲し、タージマハル・ホテルでも無差別なテロが起きます。

元々このテロはイスラム原理主義の過激派によるもので、アメリカやロシアなど金持ちの外国人を対象にしたテロだったため、このタージマハル・ホテルも選ばれたのでした。

ホテルの従業員はお客様は神様というポリシーを持っていたので、テロの中でもお客様を救うため避難経路を安全に確保するよう努めますが、その途中にテロリストに見つかり大勢のスタッフが殺されてしまいます。

④特殊部隊による救出作戦

警察では特殊部隊がニューデリーにしかないため、移動に数時間かかるということで地元警察が数名で対処しますが、すぐにほとんど殺されて今います。

何とかテロリストの足に銃弾を撃ち込むことくらいしかできませんでした。

ホテルに避難していた客や、VIPゲストなどは窓のないラウンジに移動し、安全を確保していましたがそこもテロリストたちにばれていまい更に移動する羽目に。

アルジュンや料理長をはじめとするスタッフが命を懸けて守る中、ようやく特殊部隊が到着し救出作戦を行い、ようやくテロが終結します。

 

どこまで実話か

これらのエピソードは実話をもとに作られており、実話映画で有名な「ボーダーライン」制作陣へ協力してもらいながら映画に仕立てられています。

では実際にどのような部分が実話なのでしょうか。

 

①テロリストたち

テロリストたちの当日の行動についても再現されていて、本当に起きたテロの事件でも、テロリストたちは舟で上陸し、地元住民に見られていたという報告があります。

イスラム原理主義過激派ラシュカレトイバによるテロで、パキスタンから犯行声明の電子メールも届いていて、パキスタンの関与も疑われているそう。

映画ではタージマハル・ホテルに少なくとも3人はテロリストがいましたが、実際にも3人が軍治安部隊によって死亡が確認されています。

②特殊部隊の遅さ

映画でも特殊部隊がムンバイにないということで終息に時間がかかりましたが、実際にニューデリーから軍治安部隊が送られ、60時間後に終息したそうです。

ムンバイの地元警察が突入した際にテロリストに銃撃戦で殺されたシーンがありましたが、実際にムンバイ警察の本部では対テロ特殊部隊の隊長など少なくとも3人の警察幹部が銃撃戦によって死亡したそうです。

③タージマハル・ホテルの被害

タージマハル・ホテルでは300人(500人説などあり正確なところは不明)が救出されたとあり、かなりの規模で人質や品難活動を強いられていたことがわかります。

また、ホテルでの被害32人のうち、約半分がホテル従業員だったこともあり、ホテルの従業員たちが懸命にお客様のために安全を確保していたことがわかります。

 

その他の被害

ちなみに、実際のテロでは、G.D.ロバーツ作『シャンタラム』に出てくる「レオポルドカフェ」も被害に遭ったそうです。『シャンタラム』はインドを舞台に繰り広げられる実話をもとにした小説で、オーストラリアの刑務所から脱走した主人公がインドでのマフィアとの生活や哲学的講義を受けることで人間味を失い、また得ることになる小説で、それに頻発するのが「レオポルドカフェ」です。

 

主な登場人物ーキャスト

  • アルジュン・・・デヴ・パテル
  • デヴィッド・・・アーミー・ハマー
  • ザーラ・・・ナザニン・ボニアディ
  • サリー・・・ティルダ・コブハム・ハーヴェイ
  • オベロイ料理長・・・アヌパム・カー
  • ワシリー・・・ジェイソン・アイザックス
  • 監督・脚本・編集・・・アンソニー・マラス
  • 脚本・製作総指揮・・・ジョン・コリー

 


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