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【書評】『「自分らしさ」と日本語』(中村桃子)|アイデンティティと自分らしさの表現

『「自分らしさ」と日本語』書影

『「自分らしさ」と日本語』(C)中村桃子

あまり最近は聞かなくなったような気がしますが、小中学生の女子が自分のことを「うち」という問題。(私の小学校では男子も一部使っていた)

「うち」ってなんやねん!っていう疑問がようやく解けました。

答えは『「自分らしさ」と日本語』を読んだら分かりました。書評という形で答えを書いていきたいと思います。

 

 

 

小中学生女子が使う「うち」ってそもそも何なのか考えてみた

そもそも「うち」って何なのかなって考えていて、

「内」説ー以下のようになるため、自分の内部を指すことで自分という一人称を指すのでは。

1.物の、包み込まれた中がわ。
 
2.特定のものの内部。「―側」「参加者十名、―三名は子供」。特に、心の中。
 
(コトバンクより引用)
 
「中」説ー以下のようになるため、上と同じようなニュアンスで自分自身を指すのでは。 

物のまんなか。 中央。 また、二つのもののあいだ。
(コトバンクより引用)

 

「家」説ー以下のようになるため、○○家という自分自身の家を代表することで自分自身に置き換えるという高等テクニックなのでは。

①に住んでいる人々。家族。家人。また、自分を含めた一家。家庭。
(コトバンクより引用)

 

とまぁ、これまではそのように考えていたわけです(笑)

 で、実際どうなのよというのは書評で書いてあります。

 

書評

日本語特有の自称詞

 英語では自分のことは「Ⅰ」「my」「ME」「MINE」で表すことができ、あえて「ジョニーが~」とか「ジョニーは~」とか自分を名前で表したりはあまりしないのではないでしょうか。

日本語となると、「私」「僕」「俺」「自分」「うち」「太郎」など様々なニュアンスで表すことができます。「太郎」と書いたのは幼少期に自分自身のことを名前で呼んだりするケースがあるからです。

アイデンティティと自称詞

なぜそのように多岐にわたるのかというと、これが自分にはしっくりくるというアイデンティティが関係しているそうです。自分は「俺」っていうようなタイプじゃないから「僕」にしとこうとか、「私」って感じじゃないから「うち」にしとこうとかそんな感じで決めているのだそうです。

確かに自分自身のことを表現するときに相手によって「俺」から「私」に変えたり、子供の頃に強そうだから「俺」にしてみたりとその時々で自己認知と共に変わっていった気がします。

小中学生女子の「うち」問題

「うち」問題に立ち返ると、子供の頃に「○○ちゃん」と自分のことを言っていた子が、「私」というにはまだ早いなと思った子たちが「うち」とかいう風に表現するそうです。ちなみに「うち」というのは関西方面の自称詞らしいです。

そのほかにも、歴史的な変化や社会との関係性をもとに方言・敬語・苗字など様々な日本語とアイデンティティの繋がりについて書いてあります。

 

 内容紹介

ことばには内容を表現するだけではなく、“その人らしさ”を表現し、話している人同士の関係を作り上げる働きがある。ことばの背後にある社会の規範や価値観を解きあかす社会言語学の知見から、「名前」「呼称」「敬語」「方言」「女ことば」といった観点を通して、ことばで「自分」を表現するとはどういうことかを考える。

 

 

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本屋大賞作品『流浪の月』映画化決定!松坂桃李×広瀬すずのW主演でヒット間違いなし!

流浪の月書影

「流浪の月」(c)凪良ゆう

2020年本屋大賞を受賞して話題になった「流浪の月」(著 凪良ゆう)の映画化が決定しました。

主演はなんと、松坂桃李さんと広瀬すずさんという実力派のおふたり。

あらためて本作のストーリーと映画の見どころ予想を考えてみました。

 

 

 

あらすじ

9歳だった家内更紗は父親は事故死、母親は以前は優しかったものの交通事故で夫を亡くしたことにより育児放棄して家を出てしまった。更紗は叔母の家に預けられるが、叔母の家に居場所はなく、その家の息子に性暴力を受ける。

家に帰りたくなかった更紗は公園で19歳の佐伯文に出合う。

佐伯文は更紗が帰りたくなさそうにしていたので家に連れて帰り、共同生活をおくるようになる。更紗は家族3人で暮らしていた頃の思い出を思い返したりして佐伯文に心を打ち明けていくが、19歳の青年が9歳の少女を誘拐したということはすぐに世間にばれてしまう。

実際には更紗は誘拐されたとは思っておらず、叔母の家に帰ることが一番苦痛だったため従兄に暴力をふるい、養護施設へと預けられることになった。佐伯文は誘拐の罪で逮捕された。

事件から15年後、更紗は交際相手からDV被害を受けていて、たまたま入ったカフェで佐伯文と再会する。

世間から見たら被害者と加害者という関係性だが、更紗は佐伯文との再会を喜び、次第に佐伯文を頼るようになる。

またしても被害者と加害者が再開したということでマスコミは被害者がマインドコントロールされていると掻き立てますが更紗と文は固いきずなで結ばれていてお互いがお互いを頼りながら生きるという道を選択します。

 

映画キャスト

主演/役:家内更紗/俳:広瀬すず

主演/役:佐伯文/俳:松坂桃李

監督・脚本:李相日(リ・サンイル)

 

松坂桃李さんは多彩な役どころを演じていて、「新聞記者」では新聞記者役を演じ、「あの頃。」ではオタク役を演じ、「娼年」では男娼役を演じるなど、他の人ではなかなかできないような役どころをなり切って演じています。山田孝之さんも全裸監督でAV監督役を演じたり、「電車男」ではオタク役を演じたりとマルチに活躍していますが、それに匹敵するほどに実力を備えつつあるのではないでしょうか。

今回も松坂桃李さんがどのように小児性愛者を演じるのかということに注目したいです。(本作では別に小児性愛者を蔑むような表現にはなっていません)

 

公開予定日

まだ詳細な公開日は決まっていませんが、2022年となっていますのでそう遠くない時期です。2021年8月からクランクインするそうなので他のキャストなどはこれから発表になるのではないでしょうか。

みどころ予想

本作の最大の見どころとしてはやはり松坂桃李さん演じる佐伯文がどのような描写で描かれるのかというところに注目が集まるのではないでしょうか。

最近は女性が成人していて男性がまだ学生というような作品はちょこちょこ見受けられるようになってきましたが、逆のパターンはテーマ的にあまり描かれることが少ないように思います。

そもそも日本では18歳未満の少年少女との交際はグレーゾーン(実質違法)でもちろん性行為を含むと逮捕されます。今回は連れ去りということで誘拐には当たるものの被害者本人はそれを望んでいたというところがまたミソです。

また、本作では他人の固定概念の押し付けを否定して自分自身たちの選択やマイノリティを持つ人たちに勇気を与えるような本となっています。

改めてそのようなメッセージ性ある映画に仕上がることを期待したいと思います。

 

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【あらすじ・ネタバレ感想】ナム・ジュヒョク出演「恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~」

 

恋のゴールドメダル

「恋のゴールドメダル」

「スタートアップ:夢の扉」にも出演していた塩が尾イケメン俳優のナム・ジュヒョクさんが出演している「恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~」のキャスト・あらすじ・ネタバレあり感想も書いていきたいと思います。

ちなみに、現在見ることができる動画配信サービスは「Amazon Prime」「U-NEXT」「FOD」「hulu」「Netflix」など様々なプラットフォームで見ることができます。

 

 

 
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主なキャスト/登場人物

「恋のゴールドメダル」人物相関図

出典:KNDA.TV「恋のゴールドメダル」
俳:イ・ソンギョン / 役:キム・ボクジュ

ハノル体育大学重量挙げ部の女子エースとして活躍する体育会系の女子。

オシャレとは無縁の生活を送っていたが、とあるきっかけでオシャレとダイエットの2重生活を送るようになる。

イ・ソンギョンは「ドクターズ~恋する気持ち」「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」などにも出演している。

 

俳:ナム・ジュヒョク / 役:チョン・ジュニョン

ハノル体育大学水泳部期待の星であと一歩で韓国代表になれそうな実力を持ちながらもいつもスタートでフライングにより失格になる。過去のトラウマが原因だがなかなか払拭できずにいた。キム・ボクジュとは小学校の同級生で大学で再開する。

ナム・ジュヒョクは「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」「スタートアップ:夢の扉」などに出演する実力派俳優。

 

俳:キョン・スジン/ 役:ソン・シホ

ハノル体育大学新体操部の女性。韓国国内でもトップクラスの成績を収めていたが、家族問題や体調不良によりスランプに陥る。チョン・ジュニョンの元恋人で自分から振ったものの未練を断ち切れずにいた。キム・ボクジュとは寮のルームメイト。

キョン・スジンは「密会」「ウンヒの涙」などにも出演している。

 

俳:イ・ジェユン / 役:チョン・ジェイ

肥満クリニックの医師で、チョン・ジュニョンの兄。実際にはチョン・ジュニョンの従兄だが、チョン・ジュニョンが養子入りしているため兄弟の関係になっている。コ・アヨンとは医大の同期で10年来友人関係。

イ・ジュユンは「また!?オ・ヘヨン~僕が愛した未来(ジカン)~」「愛人がいます」などに出演。

 

俳:ユ・ダイン/役:コ・アヨン

ハノル体育大学の医務室の医師で、チョン・ジェイと医大時代の同期。

体育大学ということもありケガをするシーンが多いのでやたら登場するし、キム・ボクジュが好きだった、チェン・ジェイ先生と仲良し(恋人に…)ということで重要な役どころ。ユ・ダインは「サスペクト 哀しき容疑者」などに出演。

 

あらすじ

ハノル体育大学重量挙げ部のエース、キム・ボクジュら仲良し3人組はとある勘違いから水泳部のチョン・ジュニョンとトラブルになる。

最初は気が付いていなかったが、実はキム・ボクジュとチョン・ジュニョンは小学生の頃の同級生だということに気が付く。

キム・ボクジュの父は廃品収集の癖があり、色々なものを拾ってくるが、ドレッサーを拾ってきてそれをキム・ボクジュが元の所へ帰す際に雨が降っていて、傘を差してくれたチョン・ジェイ先生に恋に落ちる。

そこから肥満クリニックに通う傍ら重量挙げ部では増量をするようにと言われ二重生活が始まるが、クリニックを訪れていた弟のチョン・ジュニョンに見つかってしまう。クリニックでは吹奏楽部の設定だったのでバレないようにチョン・ジュニョンに協力してもらいながら恋を叶えようとするのだがチョン・ジュニョンの元カノのソン・シホの嫉妬からバラされてしまう。

失恋に落ち込んでいたキム・ボクジュだが、支えてくれていたチョン・ジュニョンに告白され試しに1ヶ月だけ付き合うことに。恋の行方とそれぞれのメダルの行方はいかに。

 

ネタバレ感想

実は同級生だったという設定や命の恩人だったというような設定は韓国ドラマではよく見られる設定です。しかし、基本的に最初から最後までチョン・ジュニョンのもうアプローチが決まっていて男らしさが見受けられる一途な作品となています。

体育大学という軍隊顔負けの規則の厳しさがあり、普通の大学生のように交際をオープンにできないところにハラハラ感を感じることもできます。

重量挙げ部はそもそも女性でありながら男性顔負けのパワーを発揮するということでなかなか恋愛と無縁の生活を送っている設定だが、それでも女性は女性ということで恋愛もしたいしオシャレもしたいという若者心理も読めます。

スポーツと恋愛、という本気で取り組めば取り組むほど両立が難しいですが、恋愛がスポーツや仕事の原動力となることもあるでしょう。

懐かしい学生生活を思い出させるような作品となっていますのでぜひ見てみてくだされ! 

 
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『コンビニ人間』がおもしろくないのは当たり前です!|あらすじ・感想をネタバレありで紹介

 

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『コンビニ人間』(c)村田沙耶香

最近『コンビニ人間』をようやく読みました!(発売から5年経っていますが…)

読んで、ブログを書こうと思ってGoogle様に「コンビニ人間」と打ち込んだら関連ワードで、「コンビニ人間 おもしろくない」と出るではないですか!!

そりゃそうだよねと思ったわけで、その理由とあらすじ感想を書いていきたいと思います。

 

 

 

コンビニ人間がおもしろくないワケは

村田沙耶香さんが書いた『コンビニ人間』は2016年に芥川賞を受賞し、芥川賞作家の中でもかなりの売れっ子になりました。

芥川賞は芸人の又吉さんも『火花』で受賞したり、最近だと古市さんなどもノミネートされたりと芸能人がちょこちょこ賞に絡むようになって注目度も高まっています。

しかし、そもそも芥川賞は新人作家の未発表短編~中編の純文学作品が対象として選考されています。

純文学というのは、その時々の現代人の日常に眠る苦悩を描いた作品や自身の体験をベースに作り上げた私小説などという風に言われています。

今現在では純文学と大衆文学の境界は薄まりつつありますが、基本的には身の回りのことなどがテーマになっているのでエンタメ性は薄い作品が多いです。

結局、なぜ『コンビニ人間』がおもしろくないのかというと、そもそも多くの人が小説に求めているエンタメ性というのは狙っていなくて、わかる人にはわかるという窄府になっているからというふうに言えそうです。

芥川賞作品を読むときはエンタメ性より自分のことと重ね合わせてみたり、文章の美しさ、表現の美しさに注目して読んでみると面白いかもしれませんね。

 

あらすじ※ネタバレあり

幼少期

子供の頃から他の人の普通と違う、ロボットのような古倉恵子という女性が主人公です。幼いころは死んだ鳥を拾って、かわいそうと思わず焼き鳥にしよう!と言ったり、喧嘩を止めてと言われたのでスコップで相手の頭を叩いたりする女の子でした。

コンビニ勤務

次第に周りから普通じゃないと言われたので、何もしゃべらないように凄いていましたが、大人になってからコンビニでアルバイトを始めます。

コンビニでは徹底したマニュアルがあり、同僚のしぐさを真似することで人間としても普通として見られるように振舞っていました。

コンビニという仕事が天職だと感じていた恵子はコンビニでの生活が自分の生活そのものだと思って働いていて、勤務態度も真面目だし、何より勤続年数が18年ということでコンビニの店長からは重宝されていました。

そんなところに、白鳥という中年の男性がアルバイトとして入ってきます。

白鳥も恵子と同じように社会不適合者として普通ではないという風に烙印を押されて行きづらさを克服するため、婚活するためにコンビニ店員になったと言います。

しかし、あまりの勤務態度の悪さやお客さんへのストーカーなどが発覚してクビになりました。

メスとして

そんな白鳥を自宅に住まわせることで、良い歳してまだ結婚もしないのかとか、無駄な干渉をされることを防ぎ、白鳥も収入がないなか住む家に困らないというお互いwin-winな関係を築きます。

コンビニでうっかり白鳥が自宅にいるということをバラしてしまってから、それまで仕事上のパートナーとして働いていた店長や店員から、同僚ではなくただのメスとして見られるようになったと感じ退職します。

再びコンビニ人間

コンビニをやめてからそれまでの生活のリズムが崩れ、人間としても崩壊していくような状況で、新しくは剣の面接に行くことになりますが、途中のコンビニで改めてコンビニでしか生きていけないと実感する出来事が…

 

感想

コンビニという現代の社会インフラであり、画一化されたシステムで働く人店員を通して、世の中にあふれる「普通」という既成概念を表した作品です。

最近はダイバーシティ化が話題になるようになってきましたが、それでもなお世の中には「普通」というものがあふれていると思います。

ビジネスメールでも「いつもお世話になっております。」など入れるのが当たり前ですが、「こんにちは。」とかでもよくないか?と思ったりもしますし、普通こうするよねという大まかな社会としてのルールが決まっています。

Adoさんの「うっせぇわ」がヒットしましたが、その中歌詞では

クソだりぃな
酒が空いたグラスあれば直に注ぎなさい
皆がつまみ易いように串外しなさい
会計や注文は先陣を切きる
不文律最低限のマナーです

Ado/「うっせぇわ」より抜粋

 という部分があり、個人的にとても好きです。

マナーという名目でルール、普通が決められているということが言えそうです。

別に何でも自由にさせてくれとは言いませんので、無駄なルールそろそろやめにしませんか?

 

 

 

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ニューノーマルな今こそ、行動経済学が必要だ!行動経済学関連書籍が話題な理由とは?

最近巷で売れているな~と思ってみているのは「サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学」(新星出版社)です。 

 そもそもなぜ売れているのかというと、サクッとわかるビジネス教養というシリーズがあり、これまで、「地政学」「統計学」「東南アジア」「中国近現代史」「宗教と世界」などが出ています。その中でも「地政学」に次ぐ売れ方をしているであろう書籍が、「行動経済学」になります。

 

ではなぜ、いま行動経済学なのかというのを勝手に考えてみました。

 

 

行動経済学とは?

経済学というのは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

経済学は私たちを取り巻く経済環境、つまり消費活動や銀行金融政策、景気政策など経済全般にまつわることを指します(大雑把にですが)。

対して行動経済学というのは経済学の一つの要素で、人間が取りうる行動に着目して、それと経済との関連性を学ぶ学問になります。

 

具体的な使用例

では、具体的にどのようなものが行動経済学と言われるのか書いていきたいと思います。

例)動画サブスクリプションの初月無料セール

⇒損失回避性の活用

初月無料ということで料金に見合わないとなれば解約することができ、自分自身が損をするハードルが低いため初月から課金にするより登録者数が増える

例)①1回10,000円で当たりは50万円のくじですが10%の確率当たります。

  ②1回10,000円で当たりは50万円のくじですが90%の確率で外れます。

恐らく①だったらやってもいいかなと思う人もいるかもしれません。

しかし、②だとあまりやりたいなとなる人は少ないと思います。

⇒フレーミング理論の活用

同じ条件でありながら別の見方をすれば判断が異なるという理論です。

 

なぜいま行動経済学が必要とされているのか

いま「サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学」(新星出版社)をはじめとする行動経済学の本が話題な理由としては、やはりコロナによるニューノーマルな時代がやってくるということがあるでしょう。

これまで営業職などは日本式の人脈を築いて受注をしたり、販売でも宣伝をしたり立地を考えたりという風に昔からのマーケティングを行っていた企業が多数あったでしょう。

しかし、コロナ到来により世の中の人はウーバーだったり動画配信だったり様々な新しいサービスに触れる機会が増えてきました。

そこで、昔ながらのマーケティング活動を行っていては取り残されてしまうというのは当たり前の発想です。

電車広告やテレビCMなどによる訴求も良いですが、人間がどのような行動を行うのかという分析を行ったうえでマーケティングに活かしていくという古くて新しいマーケティング手法が今注目度としては高く、企業としてもそこは課題なところではないでしょうか。

 

おすすめの行動経済学関連書籍

 サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学

イラストが多数入っていてわかりやすい行動経済学入門者におすすめの書籍。

 

トリガー 人を動かす行動経済学26の切り口 

行動経済学の主な項目と解説、また実践例が個別に書いてあり、行動経済学を実際にマーケティング領域に落とし込みたい人におすすめ。

 

 予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

不合理な人間の行動を解明しようと様々な実験と結果を紹介していくユニークな行動経済学の本。

 

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日頃の無気力、集中力低下、不安感はポルノ動画の見過ぎ!?ー「インターネットポルノ中毒」書評

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男性諸君で倦怠感やだるさ、何もやる気が出ないなどお困りの諸君に朗報です。

なんと解決策はポルノ断ちにあるかもしれません!!

2021年3月31日(水)に発売された、『インターネットポルノ中毒』はTEDxトークで人気を博した著者が、インターネット上にあるポルノ動画を視聴することによる脳や身体への影響を指摘した書籍になります。

現在も都内の書店では目立つところにおいてあり、興味関心を持っている人がたくさんいることがうかがえます。

今回は書評という形で書いていきたいと思います。

 

 

著者紹介

<著者>

ゲーリー・ウィルソン
人間の病理学、解剖学、生理学を長年教えており、中毒と交配、絆の神経化学にずっと関心を持ってきた。2015年には性的健康進歩学会から、ポルノ中毒に関する傑出したメディア貢献と公共教育についてメディア賞を授与された。2012年のTEDxトーク「大いなるポルノ実験」は900万回以上視聴され、18言語に翻訳されている。また強迫的なポルノ利用を理解し逆転させようとする人々のために、ウェブサイト Your Brain On Porn http://yourbrainonporn.com を創設。

 

<訳者>

山形浩生(やまがた・ひろお)
東京大学都市工学科修士課程およびMIT不動産センター修士課程修了。開発援助関連調査のかたわら、小説、経済、建築、ネット文化など広範な分野での翻訳および雑文書きに手を染める。著書に『新教養としてのパソコン入門』(アスキー)、『新教養主義宣言』(河出文庫)など。主な訳書に、ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』、ポール・クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』、トマ・ピケティ『21世紀の資本』、ウィリアム・バロウズ『ソフトマシーン』、フィリップ・K・ディック『ヴァリス』『死の迷路』ほか多数。

 

書評 

インターネットポルノ動画への接触

2000年代以降、インターネットは様々な形で進化を遂げてきました。最初はデスクトップ、iモード、スマートホンによるブラウザアクセスと徐々に手軽に場所を選ばずインターネットに接続できるようになりました。

それ以前は思春期の男性諸君はエロ雑誌を拾って見たり、レンタルビデオ店で仕切りのあるエリアに入っていったりと制限がある中でせっせとポルノを漁っていましたよね(笑)

現在の思春期の学生たちは手軽にスマートホンからアクセスを行い、自室にこもり用を済ませるというスピード感を得ました。

しかし、膨大な量のポルノ動画を見ることができるが故に、徐々に過激な動画へと走っていき、普通では満足できなくなって行くのです。

実生活への影響

普通の動画で満足できなくなるというWEB上だけで済めばよいですが、生身の女性を見ても興奮しなくなったり、普通の性行為では満足できなくなるという影響があります。(EDを疑う人もいますが、その域に行っていたらまずはポルノ中毒を疑ったほうが良いかもしれません)

他にも、仕事や勉強へのやる気が出ないとか、なんかわからないけど不安という風な気持ちが不安定になったりするそうです。著者が言うには、ポルノ中毒というのはドラッグ中毒のように使用者全員がハマるわけではないがハマったらなかなか抜け出すことができないそうです。

過酷なポルノ断ちという試練

自分がインターネットポルノ中毒だと思ったとして、実際にポルノ断ちをするのは容易ではないのだそう。おそらくこの記事を見ている人はポルノ断ちに励んだ経験がある人も少なくはないでしょう。

もう生活の一部となっているポルノ動画を断つということは生活に空白が出るということです。おそらくこれまで厳選した動画を選び最高のフィニッシュを決めるべく時間を費やしていたでしょう(笑)

1ヶ月から数ヶ月くらい物足りなさや強い不安などに襲われるそうですが、実際にポルノ動画を断つことができた経験者はその後どうなったか少しご紹介します。

 

  • パートナーがより魅力的に見えるようになり、夜も快調
  • 自分に自信が持てるようになった
  • 不安や倦怠感がなくなり、日常生活もやる気に満ち溢れる

などなどといった感想が多数(多すぎるくらい)書籍内に収められています。

上で紹介したインターネットポルノ動画による影響は書籍内の一部でしかありません。ほかにも多数の影響があり、それについてや、ポルノ動画断ちをするうえでの具体的な方法や周囲との関係性が書かれています。

 

まとめ

 

インターネットポルノ動画視聴は少しであれば影響は微々たるもののようですが、毎日のように見ていたり、様々なジャンルのポルノ動画を追っている人などは恐らくポルノ動画による影響が少なからずあると思います。

自分だけでなく、パートナーとの関係性にも影響を及ぼす可能性がありますので、一度ポルノ動画について考えてみても良いかもしれません。

ステイホーム期間でインターネットに触れる機会が多くなった現在の一つの社会問題でもあるのではないでしょうか。

 

 

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【あらすじ・レビュー】「全裸監督シーズン2」|黒木香VS乃木真梨子の戦い、軍配はどちらに!?

 

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「全裸監督シーズン2」(c)Netflix


Netflixオリジナルの「全裸監督」のシーズン2が配信スタートしています。

山田孝之さんが伝説的AV監督の村西とおるさんを演じていることで、シーズン1は大変な話題となり大ヒットしました。

今作も引き続き山田孝之さんが村西とおるさんを熱演されていて、配信開始から各メディアに露出したりと大ヒット間違いなしです。

 

さて、今回は大まかなあらすじと見てみた感想や見どころなどをご紹介していきたいと思います。

 

主な登場人物・キャスト

  • 村西とおる…山田孝之
  • 川田研二…玉山鉄二
  • 黒木香…森田望智
 
 
 
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  • 乃木真梨子…恒松祐里
 
 
 
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  • 三田村康介…柄本時生
  • 小瀬田順子…伊藤沙莉
  • ラグビー後藤…後藤剛範
  • サヤカ…西内まりや
  • 荒井トシ…満島真之介
  • 武井道郎…リリー・フランキー

 

あらすじ

シーズン1ではセールスマンからAV監督業へと転身した村西とおるがAV業界を巡る規制などによって会社存亡の危機を迎えたり、ハワイでの無許可撮影により懲役370年を求刑されるなどとても破天荒なエピソードとなっていました(実話だからすごい)。

そして、今回のシーズン2ではAV業界の帝王に君臨した状態でスタート。

アダルトビデオ(以下AV)産業500億のうち50億のシェアを誇るとまでされていました。以前のように革命的なAVを作るというよりは、ひたすらAVを撮りまくり、販売しまくるという金儲けのほうが強くなっていました。

そんななか、以前からの夢であった宇宙からAVを届けるということに挑戦しようと、銀行営業マンの本田から衛星放送の話を聞き即決で参入を決めました。

しかし、衛星放送は誰でも参入できるのではなく、衛星放送の設備を備え、放送枠を勝ち取らねばなりません。衛星放送の番組枠を販売している海野には軽くあしらわれ続け、村西とおるも負けじと粘り放送枠をか取りました。

衛星放送がはじまったら黒木香と「SMぽいの好き」のように革命的なAVを撮ることを約束していた村西とおるでしたが、「SMっぽいの好き」は偶然が重なりに重なりできた産物だということで自身は撮ろうとしませんでした。そんな関係から黒木香に愛想を尽かされ、次世代のAV女優として乃木真梨子を衛星放送第1発目にします。

いざ、放送開始となるも、多額の費用を衛星放送につぎ込み、気が付いたらキャッシュが焦げ付いている状態に。今回ばかりはどうにもならず、ヤクザの古谷に借金をします。

何とか再開のめどが立ったものの、今度は経理の大場や付き人の小向に騙され借金のみが残る結果に。

自分の周りから人がいなくなった村西とおるは立ち直ることができるのか。

 

感想・みどころ

 前回の「全裸監督」シーズン1では波がありながらも村西とおるの成り上がり人生を見ることができましたが、今回は転落に転落を重ねる人生を描かれています。

衛星放送に参入したことで、以前からの仲間であった川田社長や他のメンバーたちと中違いしたり、借金に追われてヤクザに殺されそうになったり、路上生活をしたり…とこれが実話なのだからすごいの一言です(笑)

今回のシーズン2の見どころとしては、新旧AV女優である黒木香(森田望智)と乃木真梨子(恒松祐里)の対決です。

黒木香と村西とおるに憧れてAV女優になった乃木真梨子ですが、一匹狼になりつつあり、黒木香もそのことを見抜いていました。黒木香はタレントとして活躍していましたが、本心では村西とおるともう一度革命的なAVを作りたいという想いがありました。

しかし、村西とおるはどうしても原点に返ることができず、乃木真梨子と転落人生を突っ走っていきます。

黒木香は足を滑らせベランダから転落し、自殺かと世間で騒がれます。結局、黒木香とはもう一度交わることはありませんでした。

乃木真梨子と村西とおるは結婚していて、現在は幸せな生活を送っているようです。

 また、今回はキャストが一段と豪華になりましたが、その中でもやはり森田望智と恒松祐里はそれぞれこれから売れてくるであろう女優のため、実際での競争も見てみたいところですね。

 

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京大生はなぜ企業に必要とされるのか|『京大的文化事典』(杉本恭子)を読んで

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『京大的文化辞典』(c)杉本恭子

先日も中核派系全学連の関係者が逮捕されたことに関連して、兄弟の熊野寮が家宅捜索されたことがニュースになっていました。

たびたび京大では警察のガサ入れが入ったり、以前は覆面警察官が無許可で大学敷地内に入ったとして学生に捕まるという事態もありました(笑)

笑ってはいけませんが、「おぉ、また京大がやってるな~」という気持ちになるのは私だけではないはず。

 

そんな警察にやたらと目をつけられたりしている京大ですが、偏差値、IQの高さがあるので当たり前だと思いがちですが、企業からも熱い視線を集めています。

 

 

人事担当者から見た評価は…

 企業の人事担当者から見た大学イメージ調査(株式会社日経HRと日本経済新聞社発表/2021年6月)によると、1位が北海道大学、2位が京都大学、3位東北大学、4位東京大学、5位名古屋大学という順番でした。

www.nikkeihr.co.jp

1位北海道大学なんだ~とおもいましたがそんなことは置いといて、京都大学は2位です。全員がとは言いませんが、京大生って揉め事が多そう、変人が多そうなどと勝手なイメージを抱いていますが、企業側としては採用したいor実力を評価しているということがわかります。

 

京大的文化とは

『京大的文化辞典』(杉本恭子)という本が出ていますが、 この本は京都大学、京大生の自由な学風がどこから来ていて、兄弟で伝統となっている文化はどのように運営されているのかということなどが書いてある本になります。

『京大的文化辞典』では中庭に櫓(やぐら)が神出鬼没的に発生したり、教室をイベントスペースやカフェにしちゃったり、有名な立て看板を置きたい学生と大学側とのいたちごっこがあると書かれています。

京大では勉強をする自由もあれば勉強をしない自由もあり、そもそもルールは京大生によって作られてもいるわけです。最近はさすがにやや規制が強まってきたようですが、それでも現在も学生運動など全然耳にしなくなった時代でも中核派の温床になっていたりとあまり変わりはないんだなと思ったりもします。

企業で生きる京大生の特徴は

 先に書いたように、京都大学は「自由ある学風」ということが言えるでしょう。

協調性はそこまで高くない人もいますが、既成概念に囚われていない分自由な発想もできます。

日本型の企業で働いていると既成概念や上の人に意見具申できないという文化はまだまだ捨てきれていないのが実情ではないでしょうか。

個人的に日本とアメリカ、中国などの国々との経済格差が生まれてきたのはそのような文化が弊害となっていると思っています。

堅実性や安全性を求めるがために大きく飛躍することができていないなか、京大生のような自由度が高く、国家権力や学校職員にすら対抗する京都大学の文化こそが企業の常識を破る原動力となると思います。

正直、みんなが京大生だとまとまりがなくて大変だと思いますが、企業に数名そのような考え方ができる人がいると議論も活発になりより企業として成長できる体制になります。

 

ぜひ、京大生にはどのような文化があるのか学んでみましょう!

 

 

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「イチケイのカラス」ネタバレありレビュー|ありえない展開だからこそドラマがおもしろい

イチケイのカラス

(c) FujiTelevision Network, Inc.

2021年4月期の月9ドラマ「イチケイのカラス」が6月14日に最終回を迎えたので、あらためてドラマのあらすじ、キャスト、感想を書いていこうと思います。

 

 

登場人物/キャスト

  • 入間みちお・・・竹野内豊

元弁護士で刑事裁判官役。冤罪のない判決をモットーに徹底的に調べつくして判決を下すため職権発動を頻繁に行い、裁判所主導の捜査を行う。ふるさと納税が趣味でよく返礼品が届く。あと、甥っ子の話が好き。

  • 坂間千鶴・・・黒木華

東大法学部出身で、東京地方裁判所第3支部第1刑事部へ移動してきた刑事裁判官。入間みちおがイチケイで裁判をチンタラ進めているので業務効率化を目的として送られてきた。テキパキ、サバサバとしているが、入間みちおの影響が出始めてくる。

  • 駒沢義男・・・小日向文世

イチケイの部長裁判官で、弁護士だった入間みちおを裁判官へと誘い、日本の司法を変えるべく徹底した検証、判断を行い冤罪を防いでいる。主に合議審を採用するケースがドラマで描かれていて、入間みちおや坂間千鶴を見守っている。

  • 石倉文太・・・新田真剣佑

裁判所書記官を務めている青年で、坂間千鶴に恋ごろ頃を寄せている。

ボソッと坂間千鶴に恋心を打ち明けるが鈍感なため気づいてもらえない。

  • 川添博司・・・中村梅雀

裁判所主任書記官で、イチケイは職権発動による裁判所主導の捜査が頻繁に行われたり、複数の証人から証言を引き出したりするため業務に圧迫されながらも喜びを感じている。

  • 浜谷澪・・・桜井ユキ

裁判所書記官で冷静で日頃はあまり出しゃばらないが鋭い観察眼で意見をしたりする。

  • 一ノ瀬糸子・・・水谷果穂

裁判所事務菅でイチケイをサポートしながらも入間みちおや坂間千鶴にも思ったことを素直に伝える芯の強い女性。

  • 井出伊織・・・山崎育三郎

エリート検事で対入間みちお役として送り込まれたが、入間みちおのスタイルに飲み込まれいつからか裁判を勝つためではなく、真実を突き止め冤罪をなくすことを目的としている。

  • 城島怜治・・・升毅

主任検事でいつもイチケイの現場検証に立ち会いイヤイヤながらも協力してしまう気前のいい男。捜査情報もうっかりイチケイに漏らしてしまうことも…

  • 日高亜紀・・・草刈民代

最高裁判所判事で坂間千鶴の同郷であり憧れ的存在。入間みちおにとっては、弁護士時代最後の裁判で冤罪を引き起こしてしまった判決を下した裁判官。

 

あらすじ

東京地方裁判所第3支部第1刑事部、通称イチケイに坂間千鶴がやってきた。刑事裁判は案件も多く、処理速度を上げていくことが必要だ。イチケイには入間みちおという裁判官がいて頻繁に職権発動、裁判所主導の捜査を行うためまったく処理速度が上がらない。

最初は困惑していた坂間千鶴だったが、処理速度を上げて冤罪を生み出しては意味がないということに気が付き始めいつからか入間みちおスタイルが身につき始めてしまう。

そんな中入間みちおが弁護士から裁判官になったきっかけの事件、日高亜紀が下した冤罪の判決の事件も動き出してた。政治絡みでの冤罪出ることを突き止めていく入間みちおは当事者たちを証人として法廷で尋問していき辿り着くのは…

 


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感想

こちらにあるように、ワイドナショーで犬塚浩弁護士が実際の司法の現場ではありえないという発言をされていました。

www.daily.co.jp

この真意は裁判官はドラマで描かれているように優しくないということだったようですが、実際の裁判ではドラマの中で描かれるように職権発動を度々繰り返したり、壇上を降りてトークを繰り広げたりなどということはまずない展開でしょう。

しかし、ただ裁判を行っているだけでは視聴者の胸を打つことは難しいと思われます。

そこで、演出は演出と割り切って見ることでエンタメ性も強くなっていて、「今日も職権発動なるか!?キターー職権発動!!みちお今日も絶好調!!」となるわけです(笑)

 

裁判員制度も定着しつつあり、1年間に人口の0.01%が選ばれるそうです。

10年あれば1%の人が選ばれるわけですので、決して当たらないとは言えない確率です。これまでも冤罪は多数生み出されてきているので、この裁判ドラマをみることで、それぞれが判決への重みや人を裁くといういみについて考えることができたらとても有益なドラマではないでしょうか。ちなみに終わり方的に第2シリーズにも期待は残していそうな気もします。

FODで過去の放送回を見ることができますのでこれをきっかけに裁判に興味をもっていただけたらと思います。

 


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【あらすじ・書評】『吃音 伝えられないもどかしさ』近藤雄生|吃音は障害なのか

 

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最近読んだ、『吃音 伝えられないもどかしさ』について紹介していきたいと思います。

 

そもそも、吃音ってなんやねん!という人もいるかと思いますので簡単に説明すると、声を発しようとしたり、話をしようとしたときにつっかえたり、続きの言葉を発することができなかったりする病です。

100人に1人の割合で程度の差こそあれ吃音を持っている人がいるらしく、マリリン・モンローなども吃音を患っていたそうです。

 

ということで、『吃音 伝えられないもどかしさ』のあらすじ、書評を書いていきます。

 

 

著者

近藤雄生(Yuki Kondo)

1976年東京都生まれ。東京大学工学部卒業、同大学院修了。2003年、自身の吃音をきっかけの一つとして、結婚直後に妻とともに日本を発つ。オーストラリア、東南アジア、中国、ユーラシア大陸で、約5年半の間、旅・定住を繰り返しながら月刊誌や週刊誌にルポルタージュなどを寄稿。2008年に帰国、以来京都市在住。著書に『放牧夫婦』『中国でお尻を手術。遊牧夫婦、アジアを行く』『終わりなき旅の終わり さらば、遊牧夫婦』(以上、ミシマ社)、『遊牧夫婦 はじまりの日々』(角川文庫)、『旅に出よう』(岩波ジュニア新書)、『オオカミと野生のイヌ』(エクスナレッジ、本文執筆)。大谷大学/京都造形大芸術大学 非常勤講師、理系ライター集団「チーム・パスカル」メンバー。
ウェブサイト http://htts://www.yukikondo.jp/

出典:『吃音 伝えられないもどかしさ』著者紹介より

 

あらすじ

著者自身が吃音を患っていて、夫婦で海外放浪の旅に出たりと繰り返していて、主にルポルタージュの寄稿を行っていました。

帰国後に吃音について取材を行っていると、NHKバラエティー番組「バリバラ」で吃音を患っている人たちが出演するということで取材に同席し、高橋啓太さんという吃音を患っている人に出会いました。高橋さんはそれまで家族にも吃音について話したことがなかったそうですが、番組で吃音が原因で自殺しようとしたことがある過去について話したそうです。それから著者の取材がはじまりました。主に高橋さんが吃音によってこれまでの生活、働くうえでの苦労、家族の問題、周囲との関係性などについてが書かれています。そのほかにも数名事例が出てきたり、おそらく吃音が原因で職場での不当な扱いによって自殺してしまったと思われる方の話などが出てきます。

吃音の著者による、吃音の実態を記したルポルタージュになります。

 

書評

100人に1人は吃音を患っている社会

女優のマリリン・モンローや、歌手のエド・シーラン、とくだねキャスターの小倉さんなども吃音を患っているとされています。

あまり表立って見えていませんが、それぞれが吃音と向き合ってあまり出ないようにはなっているようですが、実際はかなりの苦労があるだろうと思われます。

自分の周囲の人で吃音を患っている人に出会うことは多くないようですが、実際はそれぞれが吃音と向き合いながら表面化していないだけなのかもしれません。

重度な吃音もあれば軽度な吃音もあるため、症状が分かりにくいため話し方が少し変だなと思うだけで済ませてしまうこともあるかと思います。

 

吃音と医療

吃音を患っている人たちは伝えられないもどかしさに苦しんでいます。

何とかして直そうとしている人たちはやはり医療を頼りにするわけですが、吃音の治療法として完全にこれが正しいというのはないそうです。それぞれが自己流で克服していたり、吃音を治すのではなく、表面化しないために努力しているというのが実態です。

しかし、吃音が治るといって煽り、ビジネス化している現場もあるそうで、何十万かけて結局何も改善されなかったりすることもあるようです。しかし中には真摯に吃音を治そうとしている医療もあるため、当書籍で登場する高橋さんも重度の吃音を患っていますが医療のサポートもあり当初かなりどもっていたのが改善され、スムーズにとまではいかずとも人前で話をできるようにはなったそうです。

 

吃音は障害なのか

吃音は正式に障害と認定されるには医師によって生活に支障をきたすと診断を受ける必要があり、ハードルが高いそうです。軽度の吃音を持っている人たちはそこまではいかず、周囲の人たちからはなんか話し方変だよねという目で見られがちです。

みんなが障害認定を受けようと思っているわけではないと思いますが、社会として吃音の理解が乏しいがゆえに不当な対応をしてしまったりと吃音を患っている人たちん心理的負担をさせてしまうことが多々あるのではないでしょうか。

 

周囲のサポートや理解

吃音を患っていると電話とっさに言葉を発することが困難な場面があるので、職場での会議や電話対応などが苦手で社会生活を送るうえでハンディを抱えています。

書籍に出てくる高橋さんの場合は転職し、そこでは電話対応はしなくても良いとか、チャットでやり取りして良いとかいうサポートを受けることができ、心理的負担をあまり感じずに働くことができるようになったそうです。

あまり多くの会社でこのような理解があるとは思えませんが、様々なマイノリティを抱えている現代社会において吃音も同じように周囲がサポートしていければ吃音が原因で自殺をしたり、悩みを抱えていかなくても良い社会になっていくのではないでしょうか。

 

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