『コンビニ人間』がおもしろくないのは当たり前です!|あらすじ・感想をネタバレありで紹介
最近『コンビニ人間』をようやく読みました!(発売から5年経っていますが…)
読んで、ブログを書こうと思ってGoogle様に「コンビニ人間」と打ち込んだら関連ワードで、「コンビニ人間 おもしろくない」と出るではないですか!!
そりゃそうだよねと思ったわけで、その理由とあらすじ感想を書いていきたいと思います。
コンビニ人間がおもしろくないワケは
村田沙耶香さんが書いた『コンビニ人間』は2016年に芥川賞を受賞し、芥川賞作家の中でもかなりの売れっ子になりました。
芥川賞は芸人の又吉さんも『火花』で受賞したり、最近だと古市さんなどもノミネートされたりと芸能人がちょこちょこ賞に絡むようになって注目度も高まっています。
しかし、そもそも芥川賞は新人作家の未発表短編~中編の純文学作品が対象として選考されています。
純文学というのは、その時々の現代人の日常に眠る苦悩を描いた作品や自身の体験をベースに作り上げた私小説などという風に言われています。
今現在では純文学と大衆文学の境界は薄まりつつありますが、基本的には身の回りのことなどがテーマになっているのでエンタメ性は薄い作品が多いです。
結局、なぜ『コンビニ人間』がおもしろくないのかというと、そもそも多くの人が小説に求めているエンタメ性というのは狙っていなくて、わかる人にはわかるという窄府になっているからというふうに言えそうです。
芥川賞作品を読むときはエンタメ性より自分のことと重ね合わせてみたり、文章の美しさ、表現の美しさに注目して読んでみると面白いかもしれませんね。
あらすじ※ネタバレあり
幼少期
子供の頃から他の人の普通と違う、ロボットのような古倉恵子という女性が主人公です。幼いころは死んだ鳥を拾って、かわいそうと思わず焼き鳥にしよう!と言ったり、喧嘩を止めてと言われたのでスコップで相手の頭を叩いたりする女の子でした。
コンビニ勤務
次第に周りから普通じゃないと言われたので、何もしゃべらないように凄いていましたが、大人になってからコンビニでアルバイトを始めます。
コンビニでは徹底したマニュアルがあり、同僚のしぐさを真似することで人間としても普通として見られるように振舞っていました。
コンビニという仕事が天職だと感じていた恵子はコンビニでの生活が自分の生活そのものだと思って働いていて、勤務態度も真面目だし、何より勤続年数が18年ということでコンビニの店長からは重宝されていました。
そんなところに、白鳥という中年の男性がアルバイトとして入ってきます。
白鳥も恵子と同じように社会不適合者として普通ではないという風に烙印を押されて行きづらさを克服するため、婚活するためにコンビニ店員になったと言います。
しかし、あまりの勤務態度の悪さやお客さんへのストーカーなどが発覚してクビになりました。
メスとして
そんな白鳥を自宅に住まわせることで、良い歳してまだ結婚もしないのかとか、無駄な干渉をされることを防ぎ、白鳥も収入がないなか住む家に困らないというお互いwin-winな関係を築きます。
コンビニでうっかり白鳥が自宅にいるということをバラしてしまってから、それまで仕事上のパートナーとして働いていた店長や店員から、同僚ではなくただのメスとして見られるようになったと感じ退職します。
再びコンビニ人間
コンビニをやめてからそれまでの生活のリズムが崩れ、人間としても崩壊していくような状況で、新しくは剣の面接に行くことになりますが、途中のコンビニで改めてコンビニでしか生きていけないと実感する出来事が…
感想
コンビニという現代の社会インフラであり、画一化されたシステムで働く人店員を通して、世の中にあふれる「普通」という既成概念を表した作品です。
最近はダイバーシティ化が話題になるようになってきましたが、それでもなお世の中には「普通」というものがあふれていると思います。
ビジネスメールでも「いつもお世話になっております。」など入れるのが当たり前ですが、「こんにちは。」とかでもよくないか?と思ったりもしますし、普通こうするよねという大まかな社会としてのルールが決まっています。
Adoさんの「うっせぇわ」がヒットしましたが、その中歌詞では
クソだりぃな
酒が空いたグラスあれば直に注ぎなさい
皆がつまみ易いように串外しなさい
会計や注文は先陣を切きる
不文律最低限のマナーですAdo/「うっせぇわ」より抜粋
という部分があり、個人的にとても好きです。
マナーという名目でルール、普通が決められているということが言えそうです。
別に何でも自由にさせてくれとは言いませんので、無駄なルールそろそろやめにしませんか?
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