2021年「ノンフィクション大賞」大予想|1年間でおもしろかったノンフィクションTOP3作品
2021年7月20日に第4回「ノンフィクション大賞」(Yahoo!ニュース・本屋大賞共催)のノミネート作品が発表されます。
その後、二次選考で全国の書店員の投票を経て11月上旬に発表となる予定です。
私事ではございますが、とてもノンフィクション本が好きです。
本屋大賞よりも芥川賞・直木賞・ノーベル文学賞よりも個人的にこの賞のほうが楽しみなのです。
個人的に恐らくこの本がノンフィクション大賞に選ばれるんではないでしょうかというのを僭越ながら選ばせていただきました。
※ノミネートも未発表なのでわかりませんが(笑)
※選考対象作品は以下のようになります
2020年7月1日から2021年6月30日の間に、日本語で出版されているノンフィクション作品全般(※海外作品の翻訳本は除く)
2021年予想
1位:『海をあげる』上間陽子
『裸足で逃げる』の著者でもある上間陽子さんによる初のエッセイ集です。
エッセイもノンフィクションに含まれるかが微妙なところですが、評価自体はかなり上々で、ブクログ評価は驚異の4.45(2021/7/16時点)です。
上間陽子さんは沖縄の貧困問題や若者への支援などを行いながら取材・研究を行っている方です。そんな上間陽子さんによる、沖縄在住者にしかわからない社会問題への苦悩や、自身の出産育児、祖母や両親との関係などについて書かれた本になります。
個人的には『裸足で逃げる』を読んだときにこんなすごいノンフィクションは初めて読んだ!というくらいの勢いだったので(当時はこの賞はなかった)のでぜひ大賞を受賞してほしいなと思っています。
2位:『令和元年のテロリズム』磯部涼
『ルポ川崎』で一躍有名になった磯部涼さんによる、令和元年に起こった(磯部さんがテロリズムと認定した)事件について取材執筆を行った本になります。
川崎の無差別殺人、元農水事務次官の息子殺し、京アニ放火の3つの事件をテーマに書かれていて、それぞれの事件がなぜ起こったのか、また、川崎の事件では川崎という町が抱える問題についても触れられています。
このように事件について週刊誌や新聞も最近は徹底取材を行わなくなってきているため、本によって取材執筆するというのはYahoo!ニュースの理念にもかなっているため受賞の可能性はまた高い気がします。
3位:『ガリンペイロ』国分拓
『ヤノマミ』や『ノモレ』の作家でもあり、NHKスペシャルのディレクターでもある国分拓さんによる、NHKスペシャル「大アマゾン 最後の秘境」の『ガリンペイロ 黄金を求める男たち』を書籍化したものになります。
先住民族ヤノマミやノモレも同じく先住民族を取材したもので、今回は金採掘場で一発当てることを狙っている男たちについて潜入取材したものになります。
普通では知りえない情報ばかりで「ヤノマミ」でも感動したのを覚えています。
3冊目ということでやや評価は下降気味かなという気もしますが、類を見る本には出会えないので受賞にも期待できるのではないでしょうか。
過去受賞作品
2018年(第一回)大賞作品:『極夜行』角幅唯介
「誰も行ったことのない、やったことがない」を求めて。北極圏は極夜という日が全く上らない日が続く。そんな暗闇の中を4か月間にわたり携帯電話やGPSを持たず犬1匹のみ連れて探検する至高のノンフィクション。
2019年(第二回)大賞作品:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ
優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。
2020年(第三回)大賞作品:『エンド・オブ・ライフ』佐々涼子
「看取りのプロフェッショナル」である看護師の友人が病を得た。最期の日々を共に過ごす著者に見せた、友人の死への向き合い方は、意外なものだった。難病の母、そして彼女を献身的に看病する父の話を交え、7年間見つめ続けた在宅での終末医療の現場を綴る。
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