徒然なる徒然

出版社員が語る読書その他カルチャー

【あらすじ・書評】山田鐘人・アベツカサ『葬送のフリーレン』切なく温かいストーリー

今話題の作品、「葬送のフリーレン」のご紹介です。

小学館から2020年8月に第1巻が発売され、瞬く間に人気作品へと昇り詰めました。

受賞タイトルとしては

「このマンガがすごい!2021」オトコ編第2位

「マンガ大賞2021」大賞(1位)

など大衆向けとしてかなり高い評価を得ている作品です。

 

では何が魅力なのでしょうか?この紹介ではあらすじ・書評という形でおすすめポイントをご紹介していきたいと思います。 

 

 

あらすじ

 魔王を倒した勇者一行の魔法使い・フリーレン。彼女はエルフで長生き。勇者・ヒンメルの死に何故自分がこんなにも悲しむのかわからず、人を“知る”旅に出る。僧侶・ハイターの葬送を機に、ハイターが育てていた少女・フェルンと魔法使いの二人旅へ。途中、戦士アイゼンの弟子・シュタルク、若き僧侶・ザインの二人も加わり、四人それぞれの目的をはたすべく、長い旅は続く…
 本格“後日譚(アフター)”ファンタジー!!

出典:WEBサンデー

 

著者について(原作:山田鐘人/作画:アベツカサ)

原作:山田鐘人

少年サンデーで2013年頃から連載を開始。
「ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア」では単著として出版。
「名無しは一体誰でしょう?」では岡崎河亮作画でこの作品には原作者として携わる。
今回の『葬送のフリーレン』でも原作としてストーリーを担当している。

 

作画:アベツカサ

2015年頃から少年サンデーなどで連載を開始。
「MEET UP」で小学館新人コミック大賞の佳作を受賞。
『葬送のフリーレン』では作画を担当している。

「MEET UP」に出てくる男の子と『葬送のフリーレン』に出てくるシュタルクとやや似ている気もしますね。前髪の具合とか…

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「MEET UP」より

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「葬送のフリーレン」より

 

登場人物

フリーレン・・・エルフの魔法使い(1000年生きている)

フェルン・・・・僧侶・ハイターに育てられた魔法使い。フリーレンと共に旅をする。

ヒンメル・・・・魔王を倒した勇者一行の勇者。

ハイター・・・・魔王を倒した勇者一行の僧侶。

アイゼン・・・・魔王を倒した勇者一行の戦士。

シュタルク・・・アイゼンに育てられた若き戦士。フリーレンと共に旅をする。

ザイン・・・・・平凡な村の僧侶。フリーレンに僧侶の才を見抜かれて仲間になる。

 


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書評 「葬送のフリーレン」

この作品ではいきなり終わりを迎えます。

勇者一行で魔王を倒しに行き、倒し終わったところからのスタートです。

第一陣の勇者一行は、フリーレン、ヒンメル、アイゼン、ハイターの4人で構成されています。

10年にわたり勇者一行として活動を共にしますが、フリーレンはエルフなので寿命は人間の比にならないくらい長く、他の3人が人生の10分の1程度の日数だとしてもこの時点で1,000年生きているので100分の1程度にしか満たないのです。

そのため、人間と時間の感覚が違いすぎて、つい数日前くらいの感覚しかないので人との接し方や仲良くなったりというのが苦手というキャラクターです。

勇者一行のメンバーは自分たちが死んだらフリーレンは孤独でさみしくなるのではないかと、自分たちの弟子にあたる人たちをフリーレントともに旅をさせたり、ヒンメルは自分の銅像をあちこちに建ててもらったりしています。

そうしたお節介が効いたのか、フリーレンは勇者一行のことを思い出しながら、現在の一緒に旅をしているメンバーたちのことをもっと知っていこう!と思うようになるのです。

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「葬送のフリーレン」より

また、ところどころ小ネタ的な設定が入っているのが秀逸です。

フリーレンは魔法オタクとして、各地の魔族などを倒したりする見返りとして、魔導書を受け取ります。それには服が透けて見える魔法や、氷を降らせる魔法などほとんど役に立たない魔法使います。そんなどうでもいいことを人間たちと楽しむことで人間と仲良くなり、深い関係へと導いてくれるのだなぁと感じました。

 

 

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【木曜ドラマ】「レンアイ漫画家」鈴木亮平と吉岡里帆の演技力が抜群

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2021年春の木曜ドラマ、「レンアイ漫画家」が絶賛放送中です。

主演は鈴木亮平さんと吉岡里帆さんです。この時点で成功するドラマといっても良いでしょう。しかし、視聴率は5%台程度と良いとは言えない状況。

 個人的には春ドラマNo.1といっても良いくらいの出来ではないかと思っています。

なぜなら、この作品は演技派の俳優陣をそろえていて、非常に作品としてのクオリティーは高いのです。見たら絶対面白いと思います。

今回はあらすじと見どころをお伝えしていきたいと思います!!

 

 

「レンアイ漫画家」あらすじ

刈部清一郎(鈴木亮平)の弟、刈部純(白石隼也)は若くして亡くなった。

その葬儀で、刈部純の息子・レン(岩田琉聖)が落ち込んでいるところを久遠あいこ(吉岡里帆)が励ましに向かう。あいこは刈部純と高校時代に付き合っていた時期があり葬儀で亡くなった状態で久々の対面だった。その様子を見ていた清一郎はあいこに、恋愛をしろ!と迫り、あいこは驚き、突き飛ばしてしまう。

そのことによって葬儀社を解雇されたあいこは、生活費のために清一郎のもとで恋愛マンガのネタ提供のため、指定された疑似恋愛を色々な人に仕掛けていく。
また、レンも母親は他の男と別のところで住んでいて清一郎のもとで育てられるようになる。

そんな3人の仕事によって結ばれる対等な関係をベースに、恋愛・家族の在り方を模索していく

 ちなみに、刈部清一郎は「刈部まりあ」のペンネームで少女漫画『銀河天使』を連載している。正体は明かせず日中に外出することはほとんどなく不愛想。あいこからは「鬼瓦」と呼ばれている。

 

 

 


www.youtube.com

 

キャスト

役名     俳優     キャラクター

刈部清一郎 ー鈴木亮平・・・漫画家(主演)

久遠あいこ ー吉岡里帆・・・疑似恋愛で清一郎をサポート

刈部レン  ー岩田琉聖・・・清一郎の弟の息子

二階堂藤悟 ー眞栄田郷敦・・清一郎の担当編集者

伊藤由奈  ー小西桜子・・・行きつけのカフェの店員

秋山美波  ー内田理央・・・清一郎の弟の元嫁(レンの実母)

見どころ

ストーリーとしては疑似恋愛を引っかけてはいるものの、よくある恋愛ものといった感じですが、なんといってもキャスト陣の演技力です。

鈴木亮平さんは大河ドラマ「西郷どん」でも西郷隆盛役を演じるなど実力派俳優

今回は変わり者のマンガ家、コミュ障男にもなりきっていて、清一郎が抱える葛藤などを精密に演じられています。

吉岡里帆さんもあざとかわいい女子として、男性人気は高いものの女性人気はいまいちという噂もありますが、いずれにせよ演技力・ルックスは最高級。新垣結衣さんが結婚した今、男どもの希望は吉岡里帆といっても良いでしょう(笑)

今回の「レンアイ漫画家」ではダメ男ホイホイとして、ダメ男を引き付ける女性を演じています。見ていて、吉岡里帆のことを好きにならない人がいたら教えてほしいです。

ほかにも、あまり知られていないかもしれませんが、小西桜子さんは今注目の新人女優です。事務所には所属していない新人でドラマや映画に引っ張りだこになっていて、本当に演技力などの実力で上がってきている人です。私も、「ファンシー」という映画をみて、小西桜子さんにハマりだしました。

yskblogg.hatenablog.com

今作はカフェ店員役として、吉岡里帆をライバル視する役どころを演じています。

 

また、各キャストの演技力は勿論ですが、それぞれバラバラだった人たち、孤独だった人たちが一つの家族になっていく物語として総合的に今シーズンNo.1の作品といっても良いくらいだと思っています。

 

現在絶賛放送中ですが、1話から見直したいという方はFODで見れますので、ぜひご覧になってください。

ちなみに1話は登録なしでも見れますし、2話以降も初回登録後2週間無料トライアルもついています。

 

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【2021年6月】この本が気になっています!!個人的に読みたい本ベスト5ご紹介

いつも読んだ本のレビューをしたり、映画を観ては紹介したりしていますが、たまにはこれから読みたい本を紹介するのも良いのではないかと思い至りました。

 

新刊本は年間7万冊ほど出ていて、すべてを読むのは難しいのではないでしょうか。

なかには、7万冊買いますという国会図書館並みの人もいるかもしれませんが…

 

というわけで、現在5月ですが、最近出た本や、これから出る本で面白そうだな~と思う本をなぜ気になるのかを添えて5冊だけ紹介したいと思います。

 

 

「ヒッピーのはじまり」/ヘレン・S・ペリー

 最近だと「ノマドランド」なんかが人気だったりしますよね。ノマドとヒッピーって結構近い存在ではないかなと思うわけです。

ノマドブームが来たら次はヒッピーブームか!?と思っています(笑)

もともと何の本か忘れましたが、少し前の回顧本などを読んでいると、ヒッピーのいる時代はああだったとか色々出てきていて、いったいどんな生活をしていたんだと気になっていたのです。

 

「インターネットポルノ中毒」/ゲーリー・ウィルソン

これはもはやなぜ気になるかは書かずとも良いくらいですが一応書きます(笑)

自粛期間でポルノ動画の視聴時間が増えている人が多くなっているそうです。

僕もその一人という認識がありますが、ポルノを視聴しすぎることによって無気力、集中力不足、不安感、うつになったりするそうです。

あー確かにそうだな。と思ってこれは読まねばと思った次第です。

 

「実力も運のうち 能力主義は正義か?」/マイケル・サンデル

学歴偏重社会や能力主義の社会を危惧し、警鐘を鳴らす本だそうです。

アメリカは昔から実力社会だったし、トランプ大統領になってから経済格差は広がったり、日本や韓国でもいまだに学歴偏重社会だったりと常に中流以下の人たちの中では燻ぶっているいるテーマではないかと思います。

最近よく書店で見かけるなと思っていて、そろそろひとまず買うかという気持ちになりました。

 

「どもる体」/伊藤 亜紗

 全然最近出た本ではないのですが(2018年5月出版)ずっと読みたいなと思っていて、最近また解体意欲が出てきました。

伊藤亜紗さんという美学者が吃音について「体がどもっているか」に焦点を当てて、医学や心理とは違った角度からアプローチする本だそうです。

2019年紀伊國屋じんぶん大賞6位に選ばれていました。

なぜ気になるかというと、僕ももともとどもり気味だなと感じることもあり、最近だとバイデン大統領や菅首相もどもり気味だったりと何かと気になってしまったのです。

 

「闇の自己啓発」/江永 泉 :木澤 佐登志 :ひでシス : 役所 暁 

この中二病をくすぐるようなタイトルにまず惹かれますね。

著者の方々をご存じの方は恐らくあまりいないのではないかと思われます。

主にネット住民やサブカル、SF好きの方は知っているよという人も多いかもしれません。

この本は早川文庫の「#闇のSF読書会」というものが開かれていて、それに加筆を行い書籍化したものらしいです。

主に、ダークウェブ、反出生主義、闇の科学(AI、VRなど)について書かれているそうです。

 

詳しくはこちら↓↓

www.hayakawabooks.com

千葉雅也さんの推薦コメントがすべてを物語っています。

「世界には不快な〈闇〉がある。本書は、その〈闇〉をたんに批判するのでも面白がるのでもない。生きて死ぬことの意味を問い直すために、〈闇と共に〉思考する必要があるのだ」

 

 

 以上です!まあ、いきなりほしくなる本もあったりで全部が全部買うかはわかりませんが、気になったら読んでみるというのが良いですね。

月1くらいで気になる本を紹介していきたいと思っています。

次回もお楽しみに!!

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【あらすじ・書評】磯部涼『令和元年のテロリズム』惨殺な事件はなぜ防げなかったのか

2019年(令和元年)5月1日、平成から「令和」の時代が始まりました。

昭和から平成では天皇崩御後の新元号だったこともあり大きくにぎわうことはなかったそうですが、平成から令和は天皇存命中の譲位。新元号への移行も大きなトピックとして取り上げられました。

 

しかし、その裏では大きな事件もいくつか発生していました。

今回はその事件について磯部涼さんが書いたルポルタージュ『令和元年のテロリズム』についてあらすじ書評という形で書いていこうと思います。

 

 

著者プロフィール  磯部涼

磯部涼(Ryo Isobe)

1978年、千葉県生まれ。90年代末より音楽ライターとして活動を開始。日本のヒップホップ・カルチャー、及びラップ・ミュージックに関するテキストを多数執筆。著書に『ヒーローはいつだって君をがっかりさせる』(太田出版、04年)『音楽が終わって、人生が始まる』(アスペクト、11年)、編著書に風営法とクラブの問題についての論考集『踊ってはいけない国、日本』(河出書房新社、12年)『踊ってはいけない国で、踊り続けるために』(同、13年)、歌詞についてのインタヴュー集『新しい音楽とことば』(スペースシャワーネットワーク、14年)、共著書に九龍ジョーと日本のインディ・ミュージックについて語った『遊びつかれた朝に』(Pヴァイン、14年)、大和田俊之、吉田雅史と日米のラップ・ミュージックについて語った『ラップは何を映しているのか』(毎日新聞出版、17年)などがある。

 

ルポ川崎 (新潮文庫 い 139-1)

ルポ川崎 (新潮文庫 い 139-1)

  • 作者:磯部 涼
  • 発売日: 2021/04/26
  • メディア: 文庫
 

 

あらすじ

この書籍では令和元年に大きく報道で取り上げられた、3つの事件を扱っています。

  1. 川崎殺傷事件(2019年5月28日)
  2. 元農林水産省事務次官長男殺害事件(2019年6月1日)
  3. 京都アニメーション放火殺傷事件(2019年7月18日)


本のタイトルにある、テロリズムとは何ぞやということで、Wikipedia先生にお尋ねしたところ次のように書いてありました。

政治的な目的を達成するために暴力および暴力による脅迫を用いることを言う。

出典:テロリズム - Wikipedia

川崎殺傷事件は川崎市登戸で起きた無差別殺傷事件で、京都アニメーションも放火によって多数の方の命を奪ったり傷害を負わせているのでテロリズムといって違和感は全くありませんが、元農林水産省事務次官長男殺害事件はなぜでしょうか。

これは日本社会の8050問題(80代くらいの高齢者と50代くらいの子息が引きこもりによって孤立している社会問題)が関係しているのではないかということから、著者の磯部涼さんはテロリズムとして取り上げています。

このように、令和元年に起きた3つの事件がなぜ起きたのかというのを現地に赴き調査しルポルタージュとして書いたのが『令和元年のテロリズム』という本になります。

 


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 書評 令和元年のテロリズムはなぜ起きたのか

 この本で取り上げている3つの事件に共通することは、「孤独」ということです。

まず川崎殺傷事件については、犯人が幼少のころに両親が離婚をし、その後は父親も蒸発し、祖父母の家で育てられたそう。祖父他界後は伯父夫妻と3人での生活になりますが、ここでも8050問題があったことが考えられる

元農林水産省事務次官長男殺害事件では、長男が引きこもって家でゲームをしていたというのは有名な話です。実際にこの本でも書いてありますが、エリートの父親に育てられプレッシャーもありアスペルガー症候群になってしまったそうです。

ここでも8050問題が起きたことが考えられます。

京都アニメーション放火殺傷事件はどうかというと、この事件の被疑者は幼いころから複雑な家庭環境で育ち、父、姉が自ら命を絶ち、母からは縁を切られ孤独の生活を送っていたそうです。

それぞれの事件で周りに助けを求めることができない環境で、大きな事件へと発展しまったということは共通点としてあるります。

特に8050問題など昔の日本のように困ったらお互い様というように近所の人と助け合いが薄れてきているという問題が根底にあるようです。

そのほかにもこれらに事件の現地へ赴き調査していて、令和ならではのテロリズムをしることでこれからの社会の在り方について考えることができる本です。

ぜひ皆さん読んでみてください!!

 

令和元年のテロリズム

令和元年のテロリズム

  • 作者:磯部涼
  • 発売日: 2021/03/26
  • メディア: Kindle版
 

 

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高野秀行のおすすめノンフィクション5選!ー誰も行かないところで誰もしないことをするー

日頃からノンフィクション関連や、旅関係の本を読まれる方はご存じの方も多いかもしれません。今回は高野秀行さんさんのおすすめノンフィクション5選を僭越ながら選ばせていただきました!

高野秀行さんがポリシーとして掲げている有名なことは、

「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」です。

 

そんな人沢山いるでしょ~と思う人もいるかもしれませんが、高野秀行さんほど体を張って取材している人は中々いないのではないでしょうか。

 

ではさっそく紹介していきます!

 

 

高野秀行さんについて紹介

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。
早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。

「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションや旅行記のほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。
1992-93年にはタイ国立チェンマイ大学日本語科で、2008-09年には上智大学外国語学部で、それぞれ講師を務める。

『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で第一回酒飲み書店員大賞を受賞。
『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)で第35回講談社ノンフィクション賞を受賞。

5位 『アヘン王国潜入記』

 1995年当時タイ、ミャンマー、ラオス3国の国境一帯で不法栽培されていた「アヘン」の栽培実態を調査するべく、高野秀行さん自身がミャンマーのワ州に滞在し、一緒に栽培を行い、一緒にアヘンを吸引しアヘン中毒になったりという本です。

テーマとしてはアヘン栽培の非難ではなく、アヘン栽培を地元の人たちはどのように思って栽培しているのかなど実態を調査するノンフィクションです。

 

【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫)

【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫)

  • 作者:高野秀行
  • 発売日: 2014/06/05
  • メディア: Kindle版
 

 

4位 『アジア新聞屋台村』

 アジア各国の多国籍新聞社で勤務することになった高野秀行さん。

「タイ・ニューズ」「台湾時報」「マンスリー・ミャンマー」「インドネシア・インフォメーション」「マレーシア・ワンダー」の5か国の新聞を作るのは、韓国人、台湾人、インドネシア人など様々な人がほとんど一人で担当している。

しかも、新聞の構成はメチャクチャ。そんな多国籍新聞屋台村で高野秀行さんが編集顧問になり、ハチャメチャ新聞社で青春時代を過ごすことになる。

給料未納、人種問題、政治、著作権…様々な問題がこの新聞屋台村で繰り広げられていく。もはや国際機関といっても良いのではないかとすら思う(笑)

一応フィクションも入っているようですが、おおむねノンフィクションととらえても良い作品だと思います。実在した新聞社をモチーフに書いているそうです。

 

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

  • 作者:高野秀行
  • 発売日: 2014/03/06
  • メディア: Kindle版
 

 

3位 『ワセダ三畳青春記』

早稲田大学から徒歩5分ほどのところにある野々村壮。

高野秀行さんはここで約11年生活をおくることに。

三畳一間、家賃一万二千円。この破格の条件は大家のおばあさんの懐の深さと、常人では考えられないほどの過酷さゆえに保たれる条件なのです(笑)

強固な守銭奴の初老男性、司法試験浪人中年男性、言葉の通じないフランス人、そしてクレイジーな高野秀行さん、早稲田大学探検部の後輩など様々なかなり変わった人たちのとの共同生活を書いているひたすら笑えるノンフィクションです。

 

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

  • 作者:高野秀行
  • 発売日: 2014/04/17
  • メディア: Kindle版
 

 

2位 『イスラム飲酒紀行』

『アヘン王国潜入記』でアヘン中毒になって以降、克服するため高野秀行さんはアルコールがないと生きていけない体になった。

イスラム国家では飲酒は厳禁!!…なはずだが、なぜか飲んでいるではないか。

表上は飲酒することはできないそうだが、裏ルートで実は飲んだくれのイスラム国民もいるそうだ。高野秀行さんがただひたすらお酒を求めて裏ルートを探し回ったノンフィクションです!!(笑)お酒への情熱で素晴らしい本が書けてしまうのですね。

 

イスラム飲酒紀行 (講談社文庫)

イスラム飲酒紀行 (講談社文庫)

  • 作者:高野 秀行
  • 発売日: 2014/07/15
  • メディア: 文庫
 

 

1位 『謎の独立国家ソマリランド』『恋するソマリア』

この二つは同じく、内戦が続くソマリアの中にある、未承認国家「ソマリランド」へ潜入取材した作品です。

『謎の独立国家ソマリランド』が先に出版され、どうしてもまた行きたくなって再訪したときのものが『恋するソマリア』になります。

ソマリアはソマリランド共和国、ソマリア連邦共和国政府、ハルゲイサと大きく3つに分かれていて、そのうちのソマリランド共和国は停戦状況が続いていて、他の地域は内戦が多いのはなぜだろうと疑問に思った高野秀行さんがアフリカまで確認に行ったという本です。

ソマリランド、ソマリア、アフリカの文化解明をしていく高野秀行さんだからこそ出来た圧倒的なノンフィクションです。

※ちなみに停戦状況とは言え、内戦がおこったりいきなりクーデターが起きたりしていて、高野さんの乗っている車も銃撃被害に逢ったそうです

 

 

恋するソマリア (集英社文庫)

恋するソマリア (集英社文庫)

  • 作者:高野 秀行
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 文庫
 

 

以上高野秀行さんのおすすめノンフィクション5選でした~!

ちなみに、 「幻獣ムベンベを追え」が入っても良いのではないかと思う方も多いかもしれませんが、私自身がこれはまだ読めていないの(厚いから後回しにしてます)ので、また読んだら順位に変動をきたす場合がございますのでご了承ください(笑)

 

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

  • 作者:高野秀行
  • 発売日: 2014/06/05
  • メディア: Kindle版
 

 

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「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」ー若者たちはなぜ上京するのかー

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有村架純さん・高良健吾さん主演の「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」が最近再放送されています。

2016年当時の恋を思い出して泣いてしまった人も多いのではないでしょうか(笑)

当時新進気鋭だった有村架純・高良健吾の他にも、森川葵、坂口健太郎など豪華キャスト陣で挑んだ作品はかなりクオリティーが高く、今現在では皆さん俳優としての地位を確固たるものにしています。

ちなみにこの作品でコンフィデンスアワード・ドラマ賞作品賞・脚本賞などを受賞しています。

僕も2016年から上京していて、作中でも上京して5年というのが一つの舞台設定となっています。(作中では2011年から5年後の2016年が舞台)

この作品でのテーマとして上京と若者たちの苦労が書かれていると思いますので、いったいなぜ上京して、どんな苦労があったのかを書いていこうと思います。

 

「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」はFODで観ることができます!

 

 

「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」あらすじ

杉原音(22・有村架純)は、育ての親である老夫婦・林田雅彦、知恵夫妻のもと、北海道のさびれた町で暮らしていた。
林田は音を家政婦扱いし、寝たきりになった妻・知恵は、音の介護がなければ暮らせない状態だった。音は、「あきらめること」を教え込まれて生きてきたため、特に夢を見ることもなく、そんな状況をただただ受け入れて生きていた。
その頃、曽田練(25・高良健吾)は東京の運送会社で引っ越しの仕事に就いていた。福島で、畑を営む祖父に育てられた練は、人を疑うことを知らない。だまし取られた畑を買い戻すために働いていたが、運送会社でも先輩たちからはひどくこき使われ、へとへとになるまで働いていた。給料は安く、貯金などできないまま、古ぼけたアパートで苦しい生活を送っていた。練には木穂子(25・高畑充希)という恋人がいた。練の安アパートに日常的に泊まっていくような関係であり、何かとだまされがちで借金をつくる練に金を貸す。困惑しながらも練も拒絶することができないでいた。
ある日、練は、悪友の晴太(21・坂口健太郎)が、北海道で盗んだというカバンの中から、古ぼけた手紙を見つける。「音へ」と書かれたその手紙の内容を読んだ練は、この手紙は絶対に持ち主に返さなければならないと強く感じ、トラックを飛ばし北海道へと向かう。

(FOD「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」より)

 

若者はなぜ上京するのか

「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」のなかで、高良健吾演じる曽田練、有村架純演じる杉原音など、かなり上京組が多く描かれています。

実際の東京でも、約45%程度が東京以外の出身となっているそうです。

ではなぜ、上京するのかというと、まず高校を卒業後に東京都内の大学に進学する人がいます。全国の大学のうち約18%程度が東京都内に集中しています。

そこから東京に残る人や、地方で就職したものの、東京で一花咲かせたい人や、東京都内でしかない仕事をするために上京するのではないでしょうか。

僕自身もまず最初に営業系の仕事をしようと思い、完全歩合制のところに転職しました!

 

上京してからのギャップ

「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」でギャップを演出しているシーンとしては、序盤に出てくる森川葵さん演じる市村小夏がファッションモデルにスカウトされて実は詐欺だったシーンですね。

誰もが希望を持って上京しますが、本当に大きく稼ぐ人はほんの一握りしかいないということは覚悟して上京したほうがいいと思います。

年収自体は他の地域より高いですが、その分支出も高いので、結果マイナスではないかなと思っています。

実際に、上京したら毎晩のようにクラブに行って、おしゃれなお店で買い物して、芸能人たちと仕事をして…といったイメージを持っている人は多いのではないでしょうか(笑)

僕自身もそんな感じでしたが、実際は生きていくので精いっぱいだったというのがまず最初の感想ですかね。作中の登場人物と同じような思いをしております(笑)

休みの日も基本的にひとりでこんなブログを書いたり、出かけるとしてもたまに友達とさっきイメージしていた遊びを多少たしなむ程度です。

ちなみに、芸能人と会うとかというのも、街をぶらぶらしてて逢うというのはほぼ皆無だと思っても良いくらい見かけないし、逢っても気付かないと思います。

本当に会いたいというのであれば、芸能・エンタメ関係の仕事につくと会いやすいです。

上京後の働き方

大学を卒業して新卒で就職する人はいきなり大手に入社したりベンチャー系でバリバリ稼ぎまくったりと可能性はかなり広いです。

しかし、転職組のIターンとなってくると、専門性の高いスキルを持っていない場合は営業職やサービス業などが多い印象です。

営業職でも高率インセンティブなどと謳って募集をかけている求人が多いですが、インセンティブが高い分基本給が安かったりすると、全然成果が上げられないと生活が成り立たなくなるくらいひっ迫する問題になります。

そうなるとすぐ次の職場に転職して~という負のサイクルに陥るので、よく考えてきつくてもやり遂げる意思がある人はそういう仕事に就くのもありではないでしょうか。

あと、「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で高良健吾さんは引っ越しやとして名を馳せていましたがキツイわりに稼ぎとしてはいまいちだったり、有村架純さんは介護職で毎日休みなく働いたりと、結構労働環境もゴミみたいな扱いをされるというのは割と普通にあります。

 

上京後のコミュニティ

友達が都内にいて日常的に会えたりする人は地方からあまり環境が変わらなかったりするかもしれませんが、ひとりで上京となってくると自分から行動を起こさないとずっと仕事以外はひとりのままです。

最近だとサロンや趣味の○○活などや、行きつけのお店で仲良くなったりと行動を起こせば人脈も広げていくことはできます

東京の良いところはかなり趣味に富んだ人が多いので、気が合う人に出会えると日常もかなり潤いが出てきます!まぁ、結構疎遠になる人も多いですが(笑)

ちなみに、バイトなどでも派遣のバイトが多かったり、簡単に誰でも働ける分入れ替わりも激しいのでなかなか深い関係につながるかというと微妙なところですね。

正社員で働いている場合もプライベートまで職場の人と遊んだりというのは少なく、大体平日の夜に飲みに行ったりというのがあるくらいです。

「いつかあの恋を思い出してきっと泣いてしまう」では地方出身者の地元のコミュニティを活かした展開がひたすら続いていました。

 

Uターンするべきかどうか

なんか上京なんかするな!という風に書いてきましたが、上京するかどうか迷っているくらいなら上京したほうがいいと思います。ダメだったら戻ればいいだけなので。

かといって、いつまでも夢追い人でいるわけにはいかないので、何か目標を決めて、それが決めた時期までにダメだったら戻ろうとか、何か基準を決めておくと東京で閉鎖的に暮らさなくてもよくなるかもしれません。

ちなみに、そんな夢追い人のために読んでほしい本はこちらです↓↓↓

 

『「若者」をやめて、「大人」を始める』

地方の若者たちは大人になる時期が早く、都会の若者たちは大人になる時期が遅いと書いています。

一体なぜなのかというと、都会ではエンタメなどが充実していて、いつまでも自分の時間をもてるため。一方、地方は家族を持つ年齢も早く、責任を負うことで大人になる時期が早いという感じのことを書いていて、どうすれば大人になれるのかというのを書いている本です。

いつまでも大人になれないなと感じている人はご一読いただければと思います。

 

「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

  • 作者:熊代亨
  • 発売日: 2018/02/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

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【あらすじ・書評】和山やま『女の園の星』クスっと笑えるシュールなマンガ

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『このマンガすごい2021』オンナ編第1位、『マンガ大賞』第7位など様々な賞に入選・ノミネートされてきたマンガ『女の園』の第2巻が2021年5月8日に発売されました。

そんな『女の園の星』のあらすじ書評を通して魅力をお伝えしていきます!

 

 

あらすじ

女子校で国語教師をしている星先生。

とくに変わった学校でもなく、よくある日本の女子校といった感じです。

基本的に冷静で毒舌で真面目で、時々ユーモアのある星先生は女子校の生徒たちから人気の先生です。星先生の周りで起きる謎の「絵しりとり学級日誌」「教室のベランダに犬が吊り下げられている事件」など、普通の日常!?を描いています(笑)

また、同僚の小林先生や、中村先生とのやり取りも面白い。

冷静でマイペースな星先生に対し、小林先生はおしゃべりが止まらいなんにでも興味を示す男性教師。中村先生は寡黙で人を殺っているような眼をした男性だが犬をかわいがったりギャップある男性教師。

仕事終わりに飲みに行くと、いつもテンションが一定の星先生はとても陽気になります。

星先生を中心にまわるシュールな世界を堪能あれ!!

 

著者について

和山やま

大学時代からマンガの一般募集で入選し読み切りマンガを描いたり、同人誌活動を続けていた。『夢中さ、きみに。』がKADOKAWAのコミックビームから刊行される。同作で様々な賞に入選。

・第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞

・第24回手塚治虫文化賞短編賞

・「このマンガがすごい! 2020 」<オンナ編>の2位

現在、『女の園の星』『カラオケ行こ!』が単行本として刊行されている。

 

書評

女子校を舞台にしたマンガだと、恋愛要素や、ヒエラルキーを扱ったテーマが多いですが、『女の園の星』はシュールなマンガを得意とする和山やまさんの作品だけあって、作中の登場人物も誰も傷つかず、平和的なほのぼのとして時折クスっと笑える作品になっている。

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「女の園の星」特設サイトより

以前はだれかを傷つけることで笑いを生んだりしていた部分もありましたが、現在の若い人たちの感性や、社会的な風潮で笑いも変化し着ていて、大きく笑うというよりはクスっとユーモアある一言の笑いが受け入れられているのではないかと思います。

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「女の園の星」特設サイトより

また、意識せず固定概念となっている、これはこの流れ出来たらこう返すだろう!という予測を裏切る意外性を取り入れていることで笑いのセンスがピカイチだとおもいます。

似た感じの作品でいうと、佐野菜見さんの『坂本ですが?』と似た感じの系統です。

この作品を読むとクスっと笑って日頃の悩みなんてどうでもよくなりますよ!(笑)

 

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【書評】澁谷知美『日本の包茎』|いつから「恥」になったのか

 ー包茎は恥ずかしいー

いつからそんな風潮が生まれたのだろう。

 

そんな疑問を澁谷知美さんという社会学者でジェンダー問題の研究者が200年という壮大な期間にわたる文献を遡り解き明かした本です。

 

日本の包茎 ――男の体の200年史 (筑摩選書)

日本の包茎 ――男の体の200年史 (筑摩選書)

  • 作者:澁谷 知美
  • 発売日: 2021/02/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

あらすじ

仮性包茎は医学上、病気ではなく、手術も不要である。日本人男性の半数以上が仮性包茎とされている。多数派であるのに多くの男性がこれを恥じ、秘密にしようとするのはなぜか。そのままでは女性に嫌われると一部の美容外科医は言い募り、男性による嘲弄の対象ともなってきた。仮性包茎を恥じる感覚は、どのようにして形成されたのか。
江戸後期から現代まで、医学書から性の指南書、週刊誌まで、膨大な文献を読み解き、仮性包茎をめぐる感覚の二〇〇年史を描き出す。歴史社会学者による本邦初の書!

(筑摩書房公式HPより)

 

著者について

東京大学大学院教育学研究科で教育社会学を専攻。現在、東京経済大学全学共通教育センター准教授。博士(教育学・東京大学)。ジェンダー及び男性のセクシュアリティの歴史を研究している。

 


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書評

包茎に劣等感を持つのは日本特有の文化だそうです。海外では割礼を行っている国もありますが、基本的には自然体で生きている国が多いのだとか。有名な例でいうと、ダビデ像なんかも完全に包茎で堂々としていますよね。

ではなぜ、日本ではこんなに包茎コンプレックスが生まれたのでしょう?

 

江戸時代には包茎が認識されていた

江戸時代の医学書、春本や医学書で包茎についての言及がされており、その頃には約半々、若しくはやや包茎を揶揄するような言及がされているそうです。

江戸時代から包茎が書籍というメディアを通じて一般的にある程度認知されていたことがわかります。

 

比較対象の変化

2度の戦争を経験し、最終的に敗戦国となった日本はGHQ統制下におかれます。

それから外国人との交流も生まれ始め、日本人男性は米国男性と自身の性器を比較し始めます。敗戦国となり、米軍コンプレックスにも陥っていくという流れです。

 

メディアと広告

その後、経済成長を遂げて美容整形外科とメディアのタイアップ記事などが多数出るようになり包茎手術ビジネスが形成されていきます。

「包茎だと女性にもてない」「デキるビジネスマンなのに包茎では話にならない」などというコンプレックスを植え付けていくことで出版社と美容整形外科はともに大規模な包茎ビジネスを生み出していくのです。

 

現在の包茎コンプレックス

現在は広告にも規制がかかったことである程度正確な情報に基づいて手術を判断することができていると思います。

しかし、一度植え付けられて認識はなかなか消えず、現在でも男同士ではお互いに気にしたり、隠しあったりという場面は日常茶飯事です。

 

正しい情報を一人一人が身に着けていくことで、包茎、人種問題、他様々な問題すらもメディアに踊らされずに選択できるのではないかと思うのでした。

 

紹介した書籍

 

日本の包茎 ――男の体の200年史 (筑摩選書)

日本の包茎 ――男の体の200年史 (筑摩選書)

  • 作者:澁谷 知美
  • 発売日: 2021/02/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ワイルド・スピード名シーン個人的ベスト5|おすすめの見どころをご紹介!!

「ワイルド・スピード」シリーズ最新作、「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」が米国や日本に先駆けて、韓国、中国などで間もなく公開されるそうです。

 

日本では8月6日に公開が決定していますのもう少し先ですね。

 

これからの公開ということですが、先に「ワイルド・スピード」シリーズのここが個人的に印象に残っているシーン!!というのを選びました。

 

 

 

5位 ハンが死んで、ショウが登場するシーン/TOKYO DRIFT

まずワイルドスピードを1から見ていた人ならわかると思いますが、ドミニクのチーム、家族愛というものはすごいものです。

東京ドリフトでは、ハンが弟子であるショーンを育て上げる中、ハンが所属している組織から着服しているのがバレ、カーレースに発展。その際に、ハンが死亡し、そこで手を引いていたのが、デッカード・ショウことジェイソン・ステイサムだったのです。

ちなみに、これは東京ドリフトでは明らかにならず、スカイミッションの際に明らかになります。

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4位 ホブスとドミニク軍団が手を組むシーン/MEGA MAX

シリーズを通してドミニクファミリーを追いかけてきたDSS捜査官ホブスですが、メガマックスシリーズでは、悪徳事業家レイエスの手下に仲間を殺されて、その時点で逮捕していたドミニクファミリーと手を組みレイエスと戦います。

結果レイエスを排除できたあとに、ドミニクファミリーに対し1日に猶予を与え、翌日から追いかけると宣言。

この時からホブスとドミニクの間に新たな友情が芽生えたのでした。

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3位 ブライアンがドミニクを逃がすシーン/ワイルド・スピード

初期作品のワイルド・スピードで、FBI捜査官だったブライアンはドミニクファミリーに対して潜入捜査を行います。当初逮捕に向け動いてましたが、いつからかドミニクの魅力に取り込まれていきます。潜入捜査官ということが最後にばれてしまい、訣別のレースを行うのですが、その際にドミニクの車は大破。FBIの追手が来ている中、ブライアンはドミニクに自分の車を貸して逃がすという選択を取ります。

ここからブライアンも仲間入りすることとなりました。

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2位 空飛ぶ車/SKY MISSION

正直これが2位か迷ったのですが、映画として成功している証ともいえる演出なので選びました。スカイミッションでは、名前の通り車がめちゃくちゃ空を飛びます。

飛行機からパラシュートとGPS装置をつけて落下するという演出もあり、飛行機からパラシュートをつけて車を落としているというのは実際に行った演出だそうです。もはや軍事レベルの演出です。

そして、ライカン・ハイパースポーツという約4億円する車がガラスを突き破ってドバイの高層タワー間を飛ぶという派手なシーンも…これはさすがにCGですが、もはや何でもありの演出となっています。車好きの人は見ないと損ですよ。

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1位 ブライアンとの別れ/SKY MISSION

スカイミッションのクランクアップ前に、ブライアンを演出していたポール・ウォーカーが事故死しました。

作中ではポールの弟のカレブ・ウォーカーとコディ・ウォーカーが出演し、CGで合成するという演出でしたが、最後にドミニクとブライアンがY字路で別々の道に進んでいくところで涙が止まらなくなりました。

 


www.youtube.com

 

というわけでワイルド・スピード名シーン個人的ベスト5でした。

年に1回くらいは見たくなりますね。

アマゾンプライムやU-NEXT、NETFLIXなどの動画配信サービスでも見れますので、映画公開までに見ておきましょう!!

 

 

 

【書評・あらすじ】『私の少年』は社会派の要素もある純愛漫画である

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今回ご紹介する本は、『私の少年』です。

高野ひと深さんによる作品で、「マンガ大賞2017」で第11位、「このマンガがすごい!2017<オトコ編>」で第2位にランクインするなど、発売当時から注目されていた作品です。

 

 

 

あらすじ

多和田聡子は会社の帰路、夜の公園で美しい少年・早見真修と出会った。会社の上司であり、元恋人でもある椎川文貴の言動に翻弄され、傷つく聡子をなぐさめる真修。しかしその真修もまた、家族に問題を抱えており、放っておけない聡子は、真修を気にかけていく——。年齢差や立場の違いを超えて、孤独を抱える二人は互いに心を通わせていく。聡子に芽生えた感情は、母性なのか、それとも——?

(私の少年特設サイト:http://webaction.jp/watashinoshonen/

 

聡子はアラサー都内勤務OLですが、真修は12歳の小学生。

最初は公園でサッカーを教えたり、相談に乗ったり、少し段階が上がって一緒に寿司を食べに行ったり、家に泊めたり。と親切心で動いていましたが、いつからか恋愛?純愛の感情を抱くようになります。

最初読んだときに、何とも言えない感情に苛まれました。

書評

逆の立場だったらどうだろうか?

私は男ですので、もちろん、逆だったらどうなんだよ!?と考えます。もちろん、世間様の目は冷たく、ロリコン!ということになると思います。

一昨年くらいですかね?「中学聖日記」も有村架純さんと岡田健史さん主演でドラマ化されましたよね。あれも女性が年上だからこそ成立するドラマだと思っています。

しかし、実社会でも、以前は三船美佳(当時16)と高橋ジョージさん(当時40)が24歳差の年の差で結婚したりと逆の立場でもなくはないということが言えます。

 

毒親の存在という共通点

9巻が発売されたので結末としてどうなったかは確認してもらいたいのですが、どうして2人がそこまで惹かれあったのかというと、お互いに毒親の影響を受けてきた(真修に関しては放任主義)ということがあると思います。

最近やたら小説などでも毒親をよく取り上げられるようになりました。
以前ではそこまで取り上げられていなかったのが、SNSなどの発達によって簡単に発信できるようになり、#ME TOO 的な行動をとれるようになったも一因ではないでしょうか。

お互いに受けることのできなかった愛を求めて補い合うところは見どころですし、少し切なくもありますよね。

 

「私の少年」は走りのコミックである

とりあえず今回2つ(オネショタ・毒親)ということを取り上げましたが、どちらも社会派的な要素であり、最近他にもオネショタ系のコミックがたくさん出てきたりという走りになっている作品と言えるでしょう。

私はこの作品を読んで、うまく説明できませんが、心が締め付けられるような感覚を受けました。つまり何が言いたいかというと、完結したし、面白いので読んでみてください!